「マンションを売却したいけど、キレイな部屋じゃないからリフォーム必要だよね?」
「マンションをリフォームしてから売却した方が高く売れるでしょ!」
「築30年の古いマンションだから、リフォームしないと売れないかも……。」
このようにマンションを売るなら、少しでも部屋の状態をよくした方が売れる!と思っていませんか?
たしかにマンションを売るならキレイな部屋の方が売れますが、高額な費用をかけてリフォームを行う必要はありません。
なぜなら買主が自分でリフォームを行うからです。
中古マンションを購入する買主のほとんどは、購入後にリフォームする前提で物件を探しています。
なのでマンションのリフォームを、売主がムリに行う必要はないでしょう。
むしろ売主がリフォームを行うと、マンションの売却代金に見合わない費用がかかったり、リフォーム後のマンションを購入した買主からクレームが来たりなど、いいことがありません。
マンションリフォームは買主に任せて、あなたはリフォーム以外の方法で、マンションを効果的に売却しましょう!
ただし「ドアノブがない」「給湯器が壊れている」など、部屋に欠陥がある場合は、修繕リフォームをするようにしてください。
今回は、リフォームしなくてもマンションを売却する方法と、リフォームする場合の費用と注意点などを紹介していきます。
売却の前にマンションをリフォームしない方がいい理由とは?
「マンションを売るなら、リフォームくらいした方がいいのでは?」と思うかもしれませんが、買主は自分でリフォームを行うので、とくにリフォームしなくても問題ありません。
じつは買主のおよそ8割は、購入後にリフォームすることを前提にマンション選びをしています。
※アットホーム株式会社(中古住宅のリノベーション実態調査)
なので多少年季の入った物件でも、買主はそれを織り込み済みで購入の検討をしているのです。
もちろんマンションをリフォームしても問題ないですが、あなたにとって損になることの方が多いので、リフォームはしない方がいいでしょう。
- マンションをリフォームしたからといって高く売れない
- 買主の好みにあったマンションリフォームでないと売れない
- リフォーム後のマンションを購入した買主からクレームがくる
決してリフォームをしない方がいい!と断言はできませんが、これからマンションのリフォームを検討している方は、以上3つのリスクがあることを覚えておいてください。
マンションをリフォームしても高く売れない
リフォームすると部屋がキレイになるわけですから、「リフォームした方が高く売れる!」と思っている方も多いでしょう。
ですがじつは、リフォームしてもマンションそのものの価値はほぼ変わりません。
不動産の価値は、「地価」「間取り」「立地」「築年数」などの基本情報を元にして決めらており、リフォームの有無は関係ないのです。
なのでマンションの市場価値が2500万円の中古マンションを、500万円でリフォームしても市場価値は2500万円のままです。
そのためリフォームをしてマンションの売却代金に、リフォーム代を上乗せすると、その分相場より高くなります。
もちろん市場価値2500万円にリフォーム代500万円を上乗せした3000万円で、マンションを売りに出すこともできます。
ですが買主からすれば、リフォーム済みマンションを3000万円で購入するより、2500万円の中古マンションを購入後に300万円でリフォームした方が得です。
もしリフォームできるくらいお金に余裕があるなら、リフォームするのではなく、その分マンションの販売価格の値引きを行った方がすぐに売れるでしょう。
買主の好みにあったマンションリフォームでないと売れない
すでに紹介したように、マンションはリフォームしたからといって不動産価値が上がるわけではありません。
なのでマンションの販売価格にリフォーム代を上乗せされると、買主は本来の価値より高いマンションを購入することになります。
つまり買主には、「本来のマンション価値より高くなったとしても、このリフォーム済みマンションを購入したい!」と思わせなければなりません。
リフォーム済みマンションを買主が気に入れば即購入してくれるかもしれませんが、そうでなければ、買主は価格の安い中古マンションに目移りします。
マンションが売れない状況が続くと、リフォームにかかった費用を回収できなくなるまで、値下げを行うことになるでしょう。
最悪の場合、マンションが売れないまま終わることも考えられます。
もしどうしてもマンションをリフォームするなら、リフォームをする前に売却活動をはじめて買主を見つけ、買主の希望にあわせてリフォームを行いましょう。
ですが買主の希望にあわせてリフォームを行っても、マンション引き渡し後にクレームが来る可能性もあります。
マンションリフォーム後のクレームについては次に紹介します。
リフォーム後のマンションを購入した買主からクレームがくる
リフォームをしてからマンションを買主へ引き渡すと、あとになってクレームになる可能性があります。
リフォーム済みマンションを購入した買主は、「リフォームされているのだからキレイで住み心地がいいはず!」と思っているので、期待が外れるような欠陥を見つけるとすぐにクレームになるのです。
ただの難癖であることもありますが、クレームの種類は主に次の2つです。
- リフォーム後の仕上がりに対するクレーム
- リフォーム後の欠陥に対するクレーム
まず一つにリフォームの仕上がりに満足できず、クレームを言う買主がいます。
とくにリフォーム前の部屋を見て購入を決めた買主から、リフォーム後のマンションに対してクレームが多いようです。
中古マンションの売買において、買主の希望にあわせてリフォームをしたあとに、マンションを引き渡すことがまれにあります。
その際に、売主と買主がリフォーム後の仕上がりについて念入りな打ち合わせを行っていないと、「内覧のときはここにコンセントがあったのに!」「エアコンの設置箇所がなくなってる!」などのトラブルになることがあるのです。
またリフォーム済みのマンションを見て購入した買主であっても、実際に住みはじめてから、「壁に黒いシミがでてきた」「結露で壁紙が剥がれてきた」などの欠陥からクレームになります。
リフォームをしているので、欠陥がリフォームによるものなのか、物件として不良があったものなのかが判断できないこともあるでしょう。
もしリフォーム後の欠陥がマンションそのものに原因があると判断された場合は、買主から追完請求や損害賠償請求などされます。(契約不適合責任)
売却してマンションを手放したとしても、売主としての責任が問われるので、下手にリフォームをして買主からクレームを受けないよう注意が必要です。
リフォームするより効果的にマンションを売却する方法
お金をかけてリフォームを行っても、実際にリフォーム後のマンションに住むのは買い主です。
リフォームは買主に任せて、あなたはマンションを売却することだけ考えましょう!
とはいっても、「マンションをリフォームしないで売却して、本当に売れるのか心配……。」と不安に思っている売主さんが多いかと思います。
なのでここからは、リフォームしなくても、買主にマンションを購入してもらうためのコツについて紹介していきます。
買主がマンションを購入する決め手となるのは主に次の3つです。
- マンションの間取りや立地が買主の条件にあっている
- マンションの販売価格に納得できる
- 内覧のときに物件の印象がよかった
「1」については、今からどうにかできることではないので、「2」「3」でリカバリーできるように対策をしていきましょう!
購入後にリフォームが必要なマンションは事前に値引きする
買主がマンションを購入したあとにリフォームできるように、リフォームに必要な価格分を値引きしてあげてください。
マンション購入後のリフォーム代としていくら値引きを行うか迷ったときは、実際にリフォーム会社に見積書を作成してもらうといいでしょう。
見積書を見て、マンションに必要なおおよそのリフォーム額がわかったら、あなたが値引き額を決めてください。
自分でリフォームをしないのにリフォーム会社に見積書を作成してもらうのが気まずいと思う方は、見積もり依頼したリフォーム会社をそのまま買主に紹介するといいでしょう。
ただしリフォーム代の値引きは、買主から交渉されてからにしましょう。
はじめからリフォーム代を差し引いた料金でマンションの販売価格を設定してもいいのですが、買主からさらに値引き交渉をされる可能性があります。
買主からすれば、すでに値引いた価格を見せられるより、自ら値下げを行った方がお得に感じるのです。
なのでまずはあなたが売りたい価格で売りはじめ、購入検討の買主から値引き交渉をされたらリフォームにかかる分の値引きを行いましょう。
たとえば市場価格2500万円のマンションを、リフォーム代500万円の値引きを含めて最低2000万円で売りたいとします。
このときはじめから2000万円で売りはじめるのではなく、市場価格より少し低い2400万円で売りはじめます。
買主が2400万円で購入を決めてくれればそれでいいですし、値引きを求められたら、最低2000万円で売れるように交渉してください。
値引き交渉は不動産会社を通して行うので、担当者とよく話し合ってからマンションの価格や値引き額を決めるようにしましょう。
内覧前に部屋の掃除を念入りに行う
リフォームを行わない分、部屋の掃除は念入りに行いましょう!
部屋の掃除がどのくらいキレイに行われているかで、内覧に訪れた買主に与える印象はまるで違うので、マンションの売却率は大きく変わります。
まず部屋を掃除する上で、次の2つに気をつけてみてください。
- 水回りを念入りに掃除する
- 部屋にあるものを断捨離する
とくに念入りな掃除を行ってほしいのが、汚れや匂いが目立つ水回り箇所です。
「キッチン」「お風呂」「トイレ」「洗濯機周辺」「バルコニーの雨だれ」などの箇所は排水溝までしっかりキレイにしておきましょう。
排水溝の掃除をするときは、まずは髪の毛などのゴミを取り除きましょう!
そのあとに粉の重曹200cc分を排水口にふりかけて、お湯200ccに対して小さじ2杯分のクエン酸を混ぜたものを流してみてください。
30分ほど放置して十分にお湯を流せば、汚れも匂いもキレイになくなります♪
また居住中のマンションを売却するなら、買主に部屋を内覧してもらいやすいように、部屋にあるものは断舎離して、キレイに片付けてしまいましょう。
内覧であまりにものが多いと、部屋が狭いと感じてしまうだけでなく、部屋全体が散らかっていて汚いと感じてしまうことがあります。
通常の掃除に加えて以上2つのことを意識して、念入りに掃除を行ってみてください。
マンションの印象がよくなるような内覧を心がける
内覧前の掃除も重要ですが、当日の内覧対応も物件の印象を上げるために重要です。
内覧当日には、以下のことに気をつけてみてください。
- 内覧の2時間前から換気をする
- 玄関や部屋には芳香剤を置く
- 各部屋やクローゼットは事前に開けておく
- 内覧には女性が対応する
どこの家も同じですが、部屋にはその家に住む家族の匂いが染み付いています。
家族の匂いが悪いわけではないのですが、匂いの相性が悪い買主に対してはあまりいい印象を与えないので、事前のニオイ対策は必要です。
少しでも部屋の匂いを緩和するために、内覧の2時間前には換気を行い、芳香剤を置いておいてください。
換気ができたら、内覧の直前に各部屋の扉やクローゼットを開けておきましょう。
内覧に訪れる買主は、マンションを購入する前に、どの部屋がどういう状態になっているかくまなくチェックします。
ただ、みずから扉やクローゼットを開けることに抵抗を感じる買主もいるので、事前に開けやすい状態にしておくと親切でしょう。
そして内覧への対応は女性がオススメです。
女性の方が相手に与える印象が柔らかくなりますし、家のことやご近所付き合いも多いと思うので、買主が求める情報を提供できるでしょう。
マンション売却が得意な不動産会社と協力して売却活動をする
マンションをリフォームせずに売却する上で、もっとも重要なのが不動産会社選びです。
不動産会社とは、マンションを売却するまで協力して売却活動を行います。
不動産選びに失敗してしまうと、マンションをリフォームしてもしなくても、売却に失敗する可能性さえあるのです。
不動産会社と媒介契約を交わす前に、いい不動産会社の見分けるコツを紹介します。
- マンションの訪問査定を丁寧に行っている
- マンション査定額の根拠を明確に教えてくれる
- マンション周辺の土地勘に詳しい
- 話していて愛想があり信頼できる
まず査定を行う不動産会社の様子を観察しましょう。
丁寧に訪問査定を行う不動産会社は、売主に対しても買主に対しても、丁寧な対応と仕事をしてくれます。
部屋の間取りや劣化状況、水の流れ具合までしっかりチェックを行っているか確認してください。
マンション査定に慣れている不動産会社だと、室内をよく見ずに間取りを確認するだけで査定額を提示しますが、慣れすぎていて物件をぞんざいに扱うこともあります。
間取りだけ見て電卓を弾く不動産会社もいいですが、必ず提示された査定額の根拠を聞き、しっかりした基準があって査定を行っているのか確認しましょう。
また訪問査定に訪れた担当者が、マンション周辺の土地勘に詳しいかどうかもチェックしておいてください。
土地勘に詳しい不動産会社なら、買主に対してマンション情報だけでなく地域性も含めた上で物件のアピールをしてもらえます。
そして何より、訪問査定に来た担当者の愛想に注目して、不動産会社を選ぶようにしましょう。
担当者から受けた印象がよければ、買主もまた担当者に対していい印象を抱く可能性が高くなり、購入につながりやすくなります。
以上4つの要素をもとに、マンションの売却を依頼してもいい不動産会社かどうか確認するようにしてみてください。
リフォームをしてからマンションを売却した方がいいとき
基本的には売却前にマンションをリフォームする必要はありません。
ですがマンションの状態によっては、多少のリフォームをしてから売却した方がいい場合もあります。
と言われても、「何を基準にリフォームの有無を判断したらいいの?」と困る方もいるでしょう。
リフォームの判断基準に困ったら、次の2つに該当するときだけリフォームを検討してみてください。
- マンション売却に支障をきたす欠陥があるとき
- 買主への印象を下げるようなキズや汚れが目立つとき
内覧に訪れた買主が部屋を見て、「この物件はちょっと買いたくないな…」と思われてしまいそうなら、リフォームが必要でしょう。
以上2つの詳細についてはこれから紹介していきます。
マンション売却に支障をきたす欠陥があるとき
給湯器が壊れていたり、ドアノブが取れていたりなど、明らかに修繕が必要な箇所がある場合は、修繕リフォームを行ってください。
目で見てわかるような箇所ならいいのですが、マンションに住んている住人ですら欠陥箇所に気がついていない場合もあります。
そんなときは、ホームインスペクション(建物状況調査)を行いましょう。
中古マンションを売却するのであれば、マンションに不備がないかどうかを確認するホームインスペクションが必要です。
ホームインスペクションでは主に、「マンションの耐久性」「雨漏りの有無」「設備不良の点検」の3つが点検されます。
ホームインスペクションの結果、何か異常が見つかればその箇所を修繕するようにしてください。
ただし修繕が必要でも、階下へつながる配管や天井など、場所によって売主1人ではどうにもできないことがあります。
売主が自分で修繕できないときは、マンションの管理人や管理組合に連絡をして、修繕できるかどうか相談してみましょう。
買主への印象を下げるようなキズや汚れが目立つとき
部屋に汚れている箇所がある程度なら、自分で掃除すればいいですが、素人ではどうしようもないキズや汚れがあるかと思います。
また自分で解決できるキズや汚れでも、時間がなくて掃除まで追いつかない方もいるでしょう。
部屋のキズや汚れに困ったら、リフォームではなくハウスクリーニングを依頼してみてください。
プロが掃除を行うので、一人で掃除をするより短時間で部屋をキレイにしてもらえます。
ハウスクリーニングでは、次の箇所をキレイに掃除してもらえます。
キッチン、換気扇、お風呂、トイレ、洗面所、バルコニー、窓、サッシ、各部屋の床、壁、エアコン内フィルター、階段
※エアコンクリーニングは別料金
ハウスクリーニングにかかる費用は3LDKあたり4~8万円と、リフォームにお金をかけるよりもリーズナブルな価格で行えます。
リフォームを行う時の料金については、次に紹介するので参考にしてみてください。
マンション売却のためのリフォームにかかる費用
リフォームにかける費用は人それぞれですが、内装をまるごと作り変えるようなリフォームを行うのであれば、300~500万円はかかります。
ですが一部の箇所だけ修繕リフォームをするのであれば、30万円ほどですむでしょう。
具体的な料金は、以下を参考にしてみてください。
畳替え (表替え) |
5,000~10,000円 |
---|---|
襖・障子替え | 3,000~8,000円 |
網戸張替え | 3,000~8,000円 |
フロアコーティング (10㎡あたり) |
15,000~30,000円 |
フローリング張替え (10㎡あたり) |
80,000~150,000円 |
コンセントやスイッチの修理 | 5,000~15,000円タ |
壁紙・クロスの張替え (㎡あたり) |
1,000円~ |
浴室乾燥機・浴室換気扇の交換 | 10,000~80,000円 |
給湯器交換 | 50,000~300,000円 |
浴室ドア交換 | 8,000~20,000円 |
雨どい修理 | 5,000~15,000円 |
カーテンレール等の修理 | 6,000~15,000円 |
キッチン換気扇交換 | 15,000~30,000円 |
トイレの換気扇交換 | 8,000~15,000円 |
水栓蛇口交換 | 6,000~15,000円 |
トイレ交換 | 60,000~200,000円 |
ドアノブ交換 | 8,000~12,000円 |
※料金はくらしのマーケットを参考
もしどうしてもリフォームが必要な場合は、上にある料金表を参考にしてリフォームにかかる費用を計算してみてください。
ですがマンションを売却する目的のためだけにリフォームをするのであれば、次に紹介するリフォーム前の注意点についてもあわせて読んでみてください。
マンション売却のためにリフォームするなら知っておくべき注意点
マンションの状態をみて、やむを得ずリフォームをしなければならないときもあるかと思います。
ただ記事のはじめの方でも紹介したように、売却のためにリフォームをするとあなたが損することもあると覚えておいてください。
ここからはマンション売却前のリフォームする際の注意点について、一つずつ詳しく紹介していきます。
リフォーム後に必ずホームインスペクションを行う
ホームインスペクションとは、物件を売りに出しても問題ないか、建物の状態を調査することです。
中古マンションを売買する場合、マンションの売買が行われるまでの間に必ずホームインスペクションを受けて、調査結果を買主に対して提示する必要があります。
本来ならこのホームインスペクションは一回でいいのですが、売買後にリフォームを行ってから買主にマンションを引き渡すのであれば、引き渡す前にもう一度調査を受けてください。
なぜならリフォームの施工で、物件に欠陥が発生していないか確認するためです。
ここの確認を怠ってしまうと、マンションを引渡したあとにクレームがきます。
またリフォーム前後にホームインスペクションの調査結果を比較することで、マンションそのものに欠陥があったのか、施工による欠陥なのか判別もできるので、必ず調査しましょう。
マンションの査定額に見合ったリフォームを行う
マンションがいくらで売れるのか把握しないままリフォームを先行してしまうと、あとになってリフォーム代が払えない、またはローンを組まなければならないなど、費用面の問題が起きます。
まずはマンションを査定に出して、いくらで売れるのか確認してください。
査定の結果、マンションの査定額がマンション購入時価格よりも大幅に上回っているなら、リフォームをしても問題ないでしょう。
ですが査定額が、「住宅ローンの残債を下回っている」「住み替えに必要な費用を下回っている」などあるなら、リフォームする余裕はないと思ったほうがいいかもしれません。
もしリフォームするかどうかの判断が決まったら、次は査定額からリフォームにかける予算を決めましょう。
リフォームをはじめると気になる箇所を次々に改修したくなるため、必ず予算を決めて、どこを優先してリフォームするのかを決めるようにしてください。
不動産会社に紹介されたリフォーム会社を利用しない
マンション売却をするにあたってリフォームをするなら、多くの場合不動産会社がリフォーム専門の施工会社を斡旋してくれます。
ですが不動産会社に紹介された施工会社にリフォームを依頼すると、リフォーム代に紹介手数料も含まれているので、リフォーム代は高くなります。
リフォーム代を少しでも安く抑えるなら、不動産会社の紹介ではなく、地元の施工会社へ自分で問い合わせてみてください。
またどこの施工会社にリフォームを依頼するかは、複数社に見積もりを依頼してから比較するのがいいでしょう。
内装のリフォームはシンプルなデザインにする
壁紙やキッチンなどの内装をリフォームするときに意識してほしいのは、シンプルにすること!
リフォームをしているうちに部屋の模様替えが楽しくなってしまい、思わず売主好みの内装になってしまうこともあります。
ですが売り物件としてマンションをリフォームするなら、デザインはなるべく白を基調としたシンプルなものにした方が買主への印象はよくなるでしょう。
イメージとしては、賃貸マンションの物件を内覧したときのような、当たり障りのないシンプルな内装です。
また無難なデザインはコストも抑えられるので、リフォームにかける予算を最小限に抑えられます。
これから売却するマンションリフォームはほどほどにし、これから住む予定の新居で思いっきり自分の好みのリフォームを行いましょう!
マンション売却のためのリフォームでよくある質問
お隣の物件より先に売却するならリフォームしてから売却するべき?
同じマンション内で物件が売りに出されていると、「お隣の物件より早く売るために、部屋のリフォームを行ったほうがいいのではないか?」と焦る売主も多いかと思います。
ですが早く売却をしたいからといって、リフォームすることはありません。
リフォームをするとかえって、売却が遅れる可能性もあります。
たとえばお隣の物件がリフォームなしで2500万円で売りに出しているなら、あなたの物件も2500万円が相場だと思っておきましょう。
そこであなたが100万円かけてリフォームを行い、マンションの販売価格を2600万円にしたとします。
お隣の物件の劣化状態にもよりますが、買主が住むにあたって何の問題もない物件であれば、ほとんどの買主は、100万円安いお隣の物件を購入するでしょう。
リフォームをしてさらに、お隣の物件と同じ価格で売れば、あなたの物件が先に売れるかと思いますが、それではあなたが損してしまいます。
なのでなるべく損をせずにマンションを売却するなら、リフォームはせずに、お隣の物件より少し値引きを行って買主の目を引きましょう。
また同じマンション内でリフォームしてから売りに出している物件があっても、部屋をリフォームする必要はありません。
リフォームするより先に、販売価格を調整してマンションを売却できないか検討してみてください。
マンションに住みながら売却するときはいつリフォームすればいいのか?
居住中のマンションをリフォームして売却するなら、売買契約を交わしたあと、マンションを引き渡すまでの間にリフォームを行うといいでしょう。
リフォームするために部屋を空けるよりは、売買契約が決まったあと、新居へ引っ越しを行うタイミングでリフォームを行えば、余計な出費を支払わなくてすみます。
また売買契約後のリフォームなら、買主の意向にあわせたリフォームを行えるので、買主にも喜ばれるでしょう。
ただし売買契約後にリフォームを行うときは、ホームインスペクションを行ってから買主へマンションを引渡すようにしてください。
記事の中でも紹介したように、リフォームをしたことによって部屋に何か欠陥があると、あとになって買主からクレームになる可能性があります。
3ヶ月以上経ってもマンションが売れないときはリフォームした方がいいのか?
マンションの売却活動から3ヶ月以上経っても売れないなら、リフォームで部屋を手直しした方がいいのかもしれません。
ですがマンションが売れない理由は、部屋のリフォームをしていないことが原因なのでしょうか?
リフォームにはお金がかかりますし、一度リフォームをはじめるとあとに引けなくなるので、以下を確認してからリフォームを行ってみてください。
- 部屋の掃除を行ってから内覧を行っているか?
- 部屋の掃除は十分に行き届いているか?
- 内覧に訪れた買主に対して印象の悪い対応をしていないか?
- 室内に修繕すべき箇所はないか?
- マンションの売買価格が高すぎないか?
- 購入を見送った買主に購入にいたらなかった理由を聞いてみたか?
マンションが売れない場合の対策を試してみても売れない場合は、不動産会社と相談しながらリフォームを検討してみてください。
マンションをどこまでリフォームしてから売却すればいいの?
いざリフォームするとなると、どこまでリフォームしてからマンションを売却すればいいのか、わからなくなる売主さんも多いと思います。
一度リフォームをはじめると、気になる箇所も増えてきますから余計に困るでしょう。
すでに紹介しましたが、リフォームを行う基準は「部屋がキレイに見えるか?」「欠陥箇所はないか?」の2点です。
基本的には自分で部屋の掃除を行い、自分で掃除するだけでは部屋がキレイにならない場合はプロに任せてハウスクリーニングを行いましょう。
また部屋に欠陥箇所がある場合は、修繕のためのリフォームを行ってください。
ただし床にちょっとしたキズがある程度なら、わざわざリフォームする必要はありません。
【まとめ】マンション売却するならリフォームより先に査定!
ここまで紹介してきたマンション売却のためのリフォームについて以下にまとめました。
- リフォームをしなくてもマンションは売却できる
- マンションの査定額をみて余裕があるときだけリフォームする
- リフォームをするなら修繕が必要な箇所だけリフォームする
- リフォームをしたら必ずホームインスペクションを行う
リフォームをしなくてもマンションは売却できますし、リフォームしたからといってマンションを売却できるとは限らないので、リフォームの有無は慎重に行ってください。
もしリフォームした場合、マンションを十分な額で売らなければ、リフォームにかかる費用を支払うこともできないので、まずはマンションを査定しましょう。
査定の結果、リフォーム代を十分にまかなえると判断できたときは、必要最低限の手直しをするつもりでリフォームを行ってください。