居住中のマンションを売却するメリット・デメリットと住みながらマンションを売却するコツ

マンションを売却するにあたって、マンションに住みながら売ってもいいものか悩んでいる方も多いかと思います。

結論からいうと、居住中でもマンション売却はできます。

実際にマンションに住みながら売却活動を行っている人は多く、およそ48.1%の人が「居住中」の物件としてマンションを売りに出しています。

※HOME4Uに掲載されている関東の売り物件情報より

住み替えにかかる費用を抑えられるメリットなどから、マンションに住みながら売却活動を行っている人が多いようです。

とはいっても、居住中のマンションを売るのに少し不安がある方もいるかと思います。

「居住中のマンションよりも、空き家にした方が売れるのかな?」

「住みながらマンションを売りたいけど、内覧に来られるのは恥ずかしいな……。」

あなたが不安に思うように、居住中のマンションを売却するのは、メリットばかりではありません。

居住中のマンション売却にいえる最大のデメリットは、普段の生活空間に人を招き入れて内覧を行うストレスでしょう。

週末は内覧の予定が入り家族で過ごしづらかったり、部屋をキレイに保つためにこまめな掃除が求められたりなど、売却期間中はストレスを感じることが多いのです。

マンションに住みながら売却活動を行うのであれば、ストレスを最小限に抑えられるよう、なるべく早くマンション売却を終わらせる必要があります。

そこで今回は、居住中のマンションを売却するメリット・デメリットとあわせて、早く売却活動を終わらせるコツについて紹介します。

マンションに住みながらでも売却できるよう、今から計画を立てましょう!

居住中のマンションを売却する4つのメリット

これまでどおりの生活を送りながらマンションを売りに出せるのも、居住中のマンション売却のメリットといえます。

いきなり生活環境を変えるよりも、マンションが売れるかどうか先行きを見ながら売却活動を進めたほうが安心でしょう。

またそれだけでなく、以下の4つのメリットがあります。

居住中のマンション売却のメリット

  • マンションを売却するまでは諸費用がかからない
  • 家具やインテリアのおかげで部屋の細かいキズが目立たない
  • 買主にマンションでの暮らしの様子を直接伝えられる
  • マンションの売買契約する相手を選べる

マンションを売却するまでは諸費用がかからない

マンションを売却するより先に、住み替え先の新居や仮住まいに住みはじめるとなると、諸費用として多額の資金を用意しなければなりません。

住宅ローンを契約して新居の準備をすることもできますが、住宅ローンが残っているマンションを売却するのであれば、新たにローン契約するのは難しいでしょう。

諸費用を抑えるのであれば、今のマンションに住みながら売却を行い、マンションを売って得たお金で、住み替え先の準備をした方が資金繰りに困らなくてすみます。

マンション売却にも費用はかかりますが、マンションを売るまではほとんど費用がかかりません。

【図】

マンションに住みながら売却活動を行うときにかかる費用は、以下にあげた4つくらいなので、大きな負担にはならないでしょう。

居住中のマンションが売れるまでにかかる費用

マンションの維持費
(修繕積立金、管理費、水道光熱費、固定資産税など)
5~7万円
※固定資産税除く
必要書類の交付費用
(住民票や印鑑証明書など)
600~700円
建物状況調査代
(ホームインスペクション)
5~10万
マンションの修繕費
(部屋に修繕箇所がある場合のみ)
30~50万円
花沢

表には「マンションの修繕費」が含まれていますが、修繕費が高くつきそうなら、修繕はせずにその分マンションの価格を下げて販売することもできます。

家具やインテリアのおかげで買主が生活をイメージしやすい

「マンションを売却するなら、家具やインテリアをすべて撤去したほうが売れるのでは?」と考える方も多いでしょう。

たしかに部屋が空っぽの方が、広く感じますし、部屋の実寸を測りやすいメリットもあります。

ですがあえて家具を置き、実際の生活感を出したほうが、買主もマンション購入後の生活をイメージしやすくなるので、購入につながりやすくなります。

ただあまりに家具が多すぎたり、日頃の生活感を出しすぎたりすると、買主にマイナスなイメージを与えかねないので、モデルルームを意識した部屋づくりにするといいでしょう。

買主にマンションでの暮らしの様子を直接伝えられる

マンションに住みながら売却活動を行うのであれば、買主の内覧に立ち合うことになるかと思います。

現在住んでいる側から見たマンションのいいところや悪いところを直接伝えられるので、不動産会社だけで内覧を行うより、確かな情報を買主に直接伝えられます。

内覧に来た買主が知りたいこと

  • マンションに住んでみて感じた部屋の使い心地
  • マンション周辺にある施設やスーパー
  • マンション周辺の治安
  • マンション住民のこと
  • 隣近所から聞こえてくる音

買主が知りたい情報をうまく伝えられれば、マンションを購入する確率がぐんとあがるでしょう。

ただし買主に対して「このマンション購入したいと思いますか?」「購入を迷っている理由は何ですか?」など強い営業トークをすると、買主に嫌悪感を抱かれるので注意しましょう。

また不動産会社によっては内覧のマナーに厳しく、買主が困るような営業トークをすると注意されるので、あくまで買主に聞かれたことに対して回答する程度にしてください。

マンションの売買契約する相手を選べる

マンションを空き家にしてから売却する人もいます。

その場合、マンションの内覧は不動産会社に任せることが多く、売主は買主と直接やり取りしないまま売買契約を行います。

ですが買主と直接やり取りしないまま売却が進むと、買主と売主に認識のズレがあり、売買契約の直前になってキャンセルをされたり、契約後の解除をされたりすることがあるのです。

一方マンションに住みながら売却するとなると、内覧には必然的に立ち合うので、買主と自然な会話をしながら、お互いのマンション売買に関する意識を共有できます。

思い入れがある大事なマンションを売却する相手を選ぶなら、住みながらマンションを売ったほうがいいでしょう。

居住中のマンションを売却する4つのデメリット

冒頭でもお伝えしたように、マンションに住みながら売却活動を行うと、ストレスを感じることが多いです。

とくにストレスを感じるのは次の3つです。

居住中のマンション売却のデメリット

  • 内覧のためにスケジュールを空けなければならない
  • 買主がなかなか見つからず売却期間が延びる
  • 必ず内覧に立ち合わなければならない
  • 定期的に室内の掃除をする必要がある

上にあげたデメリットを読んで、どうしても耐えられないデメリットであれば、マンションを空き家にして売却活動を行ったほうがいいかもしれません。

このあとに、デメリットに対するストレスを最小限に抑えられるよう、マンションを早く売却するコツを紹介するので、空き家にするかどうかは記事を読んだあとに判断しましょう。

内覧のためにスケジュールを空けなければならない

居住中のマンションを売却するなら、基本的に内覧には立あわなければなりません。

なので内覧に立ち合うために、売却期間中は極力スケジュールを空けておく必要があります。

とくに土日は内覧が集中しやすいので、なるべく予定を入れないようにしてください。

「土日は家族とゆっくり旅行へ行きたいのに…」「週末はゆっくり過ごしたい」など思うところがあるかと思います。

ですが買主が内覧に訪れる機会を減らして、売却期間が長引くと大変だと思うので、内覧者のためになるべくスケジュールを空けるようにしましょう。

買主がなかなか見つからず売却期間が延びる

立地も間取りもよく、誰からも需要が高いマンションなら、居住中であってもすぐに売れてしまいますが、並程度のマンションなら売却期間が延びることもあります。

理由は、居住中のマンションは内覧件数が少なく、売却機会が少ないからです。

買主にとって居住中のマンションは内覧がしづらく、どうしても空き家物件を優先して内覧を行います。

そのためあなたの物件を内覧する前に、別の物件で契約が決まってしまうのです。

また居住中マンションの内覧を行ってみたものの、ゆっくり内覧ができなかったため、購入にいたらないケースもあります。

マンションに住みながら売却を行うのであれば、一回の内覧がとても重要であることを意識したほうがいいでしょう。

内覧時には部屋のあらゆる箇所が見られてしまう

マンションに住みながら売却するとなると、内覧のときは普段の生活環境が丸裸となります。

内覧とはいえど、日頃住み慣れた部屋に知らない人を招き入れて、あちこち見られるのは、あまり気持ちがいいこととは言えません。

買主の中には物件とは関係のないデスクの引き出しを空けたり、私物を触られたりして不快な思いをすることもあるでしょう。

不動産会社の担当者と一緒に内覧を行えば、何かあっても買主を止めてもらえますが、精神的に負担となることもあると、心にとめておいてください。

定期的に室内の掃除をする必要がある

内覧に訪れる買主を迎え入れるために、定期的に掃除をする必要があります。

「内覧のときに部屋が散らかっていても、買主にはありのまま見てもらいたい」と思う方もいるかも知れませんが、あまりにありのままでは、買主は購買意欲がなくなるでしょう。

なのでマンションの売却が決まったら部屋の大掃除をし、水回りなどの汚れやすい箇所はキレイな状態を保つために、こまめな掃除が必要です。

物を散らかしやすい子どもには、部屋をキレイに使用するよう言って聞かさなければなりませんから大変に思うことも多いでしょう。

マンションを売却するまでは、家族全員の協力を得て部屋をキレイに保てる努力をしてください。

内覧経験者の体験談から「空き家」と「居住中」のマンション売却を比較

ここまで居住中のマンションを売却するメリットとデメリットについて紹介してきました。

デメリットを見て、「マンションを売却するならやっぱり空き家の方がいいのかな…?」と不安に思った方もいるかと思います。

そこで今回、買主側として「空き家」と「居住中」両方の内覧経験をもつ、山口さんにお話を伺いました!

(画像)山口さん

内覧経験数:空き家1回、居住中2回

5才と2才の男の子を育てる主婦さん。
現在は5年前に空き家の状態で売りに出されていたマンションにお住まい。

山口さんのリアルな体験談から、「空き家」と「居住中」それぞれのいいところと悪いところが見えてきました。

「空き家」のマンションを内覧して買主が感じること

まず山口さんには、空き家マンションの内覧へ行ったときに思ったことについてうかがいました。

花沢

やはり空き家のマンションの方が内覧しやすかったですか?

困ったフネ

内覧のしやすさだけで言えば、断然空き家のほうがよかったです。
空き家だと、先方の都合を気にしなくていいのでこちらの好きなときに内覧できますし、売主の目がないので気兼ねなく隅々までチェックできるので、気楽なんです。

やはり買主側からすれば、家に売主がいないほうが、ゆっくり内覧できるようです。

実際に山口さんは、ゆっくり内覧ができた空き家のマンションを購入されたといいます。

ですが山口さんの場合、空き家のマンションを購入して少し困ったことがあったようです。

花沢

やはり内覧がゆっくりできたからこそ、空き家のマンションを購入できたんですね。
空き家のマンションを内覧して困ったことはなかったですか?

困ったフネ

内覧中に困ったことはなかったんですけど、購入してから痛い目に合いました…。
じつは購入してから2ヶ月後くらいに、下の階の人から「子どもの足音がうるさい」って管理人さんを通して苦情があったんです。
子どもはいるんですけど、そんなにうるさくした覚えはなかったので管理人さんに聞いてみたんですよ。
管理人さんがいうには、下の階の人はもともと音に敏感なようで、「エントランスで他の住人の話し声がうるさい」って以前にも苦情を言っていたそうなんです。

花沢

それは大変ですね…。いざ住んでみないと購入後のことはわからないですよね

困ったフネ

一応購入前に、マンションの管理人さんに聞いたんですけどね(笑)
購入した物件が3階だったんで、小さい男の子が2人いても騒音が問題ないか管理人さんに聞いたんですけど、夜は静かにしたほうがいいでしょうという一般的なことしか教えてもらえませんでした。
それで購入後に管理人さんを通して苦情がきたときは、「なんで購入前に下の階の人について教えてくれなかったの?」って思いましたね(笑)
でもマンションの管理人さんは立場上、売りに出ている物件に関してあまりしゃべれないというのがあるようです。
これから一生住むかもしれないと考えると、居住中の物件のほうが、売主さんから直接話しが聞けていいかもしれませんね。

買主はマンションを購入したら、そこに住むわけですから、内覧では住んでいる側の声が重要なようですね。

こういったお話を聞くと、やはりマンションに住みながら売却を進めたほうが、購入後の買主のためになるのではないでしょうか。

山口さんからのアドバイス!

  • 空き家マンションの方が気兼ねなく内覧できる
  • 空き家マンションの内覧だと住んでいた人の声が聞けないから購入後が不安

「居住中」のマンションを内覧して買主が感じること

結局空き家マンションを購入した山口さんでしたが、マンション購入前に居住中マンションの内覧にも行ったようです。

花沢

山口さんは居住中マンションの内覧に2回行っているみたいですね。
まず1件目に行った時のことを教えていただけますか?

困ったフネ

1件目の物件は、居住中ということもあって、とても狭く感じましたね。
もともと広い間取りのお宅ではなかったんですけど、とにかく物が多くて、実際の間取りよりとても狭く感じました。
小学生のお子さんがいらっしゃったので、たぶん子どもの成長につれて荷物が増えたんだと思います。
きちんと整理整頓されていて、掃除も行き届いており、築年数の割にキッチンもピカピカだったんですけどね……。

花沢

どんなにキレイでも、狭いと印象が悪くなるものなんですね。
つまり物が多くて狭く感じたから購入には至らなかったということですか?

困ったフネ

そうですね(笑)でもそれだけではないですよ。
うちにも子どもがいるので、大きくなるにつれて荷物が増えて、1件目のお宅のように将来手狭になると感じたからです。

山口さんが内覧へ行った1件目の物件は、物が多いせいであまりいい印象がない上に、将来手狭になるイメージを与えてしまったために、購入に至らなかったようです。

居住中物件の部屋を見て、買主はマンションに住みはじめてから将来をイメージするわけですから、買主にいいイメージを与えられるような工夫が必要かもしれません。

花沢

では2件目の物件を内覧しに行ったときのことを、教えてもらっていいですか?

困ったフネ

件目のお宅はとりあえず内覧しづらかったです。
だって内覧に行ったら家族全員で手巻き寿司を作って食べてたんですよ(笑)
日曜のお昼時に訪ねてしまったので、仕方がないかもしれませんが、手巻き寿司を食べている横で家の中を見て回るのは、さすがに気が引けました。
本当は、キッチンの収納や作業台・シンクの大きさとか気になったんですけど、昼食の準備に使った調理器具が放置されてて、遠慮して詳しく見られませんでした。

花沢

内覧がある日に手巻き寿司は…。勇気のあるお宅ですね(笑)
内覧はしづらかったかもしれないですけど、手巻き寿司をしているくらいですから話は聞きやすかったんじゃないですか?

困ったフネ

内覧の対応してくれたのがご主人だったので、主婦目線での質問には曖昧な答えしか返ってこなくて、結局不完全燃焼で終わった感じです(笑)
内覧全体的に、家族で昼食中というインパクトが強すぎて、終始遠慮しながら内覧した記憶しかありませんね

山口さんとしては、空き家マンションより居住中のマンションを内覧した方がいいというお話でしたが、それはあくまで売主が内覧の準備を行っているときに限るようです。

山口さんからのアドバイス!

  • 居住中のマンションは購入後の生活をイメージしてもらいやすい
  • 買主にいい印象をもってもらえるように部屋を片付ける
  • 買主にゆっくり内覧してもらえるように出迎えの準備をする

山口さんの内覧では売主側の残念な様子を垣間見ましたが、内覧のポイントを抑えていれば、住みながらでもマンションは売却できるでしょう。

では次に、マンションに住みながら売却を成功させるポイントについて紹介します。

居住中のマンション売却を成功させる7個のコツ

内覧にきた人に「このマンションに住みたい!」と思ってもらえれば、居住中のマンションでも売却できます。

ただしマンションに住みながら売却を行うと、抱える精神的負担も大きくなるので、短期でマンションを売却できるような準備しないといけません。

居住中のマンションでもすぐに買主が見つかるために次の7つを意識しましょう。

  • マンション売却が得意な不動産会社に売却を依頼する
  • 買取保証付きでマンション売却をする
  • マンションの物件情報には居住中でも室内の写真を載せる
  • 内覧ではおもてなしの心で買主を迎える
  • マンションの売却価格は値下げをしながら様子を見る
  • 部屋にある物を減らして室内を広く見せる
  • 水回りや普段掃除しないところまでキレイに掃除する

1. マンション売却が得意な不動産会社に売却を依頼する

居住中のマンション売却で一番失敗してはいけないのが、不動産会社選びです。

「この不動産会社なら大事なマンションを預けてもいい!」と思える不動産会社を選ぶようにしましょう。

とはいっても信頼できる不動産会社を見極めるのは難しいかと思うので、不動産会社を探すときは次の手順に沿って探してみてください。

1. 複数の不動産会社で一括査定を行う

家の近所にある不動産会社にマンションの査定依頼を行ってもいいですが、1社のみに頼りきりになると、他の不動産会社と査定額を比較できません。

比較できないとなると、査定額が低いのか高いのかもわからないので、必ず複数社に査定依頼をするようにしましょう。

ですが近所にある不動産会社を一社ずつわまるのも大変なので、一括査定サイトで複数の不動産会社へ査定依頼するのがオススメです。

2. 査定額が高い不動産会社をいくつか選ぶ

HOME4Uの一括査定サイトの場合、不動産会社6社同時に簡易査定を依頼できます。

6社から査定結果が届いたら、その中から査定額が高い不動産会社を3社ほど選ぶといいでしょう。

基本的にマンションの査定は、間取りや立地などでほぼ決まりますが、査定額を左右するのは不動産会社の販売実績です。

なので不動産会社の販売実績が高いほど、マンションを高く売る自信がある裏付けであると言えます。

ただし査定額が、市場価格に比べてあまりに高い不動産会社は避けてください。

高い査定額をエサに、売主の気を引く不動産会社もあります。

高額査定を出す不動産会社にマンションの売却を依頼しても、結局は査定額より低い価格でしか売れないので注意しましょう。

3. 不動産会社に訪問査定を依頼する

不動産会社をいくつか選んだら、次は本格的にマンションを査定してもらうために、訪問査定を行います。

訪問査定では不動産会社の担当者と対面できるので、担当者が査定する様子を細かく見ておいてください。

  • マンションの間取り以外にも部屋の劣化状態を見ているか?
  • お風呂やトイレなどの水の流れなども確認しているか?
  • マンション内の共有スペースも目視で確認しているか?
  • 対面した担当者は好印象であるか?
  • 担当者は買主にマンション周辺の地理を説明できるくらい詳しいか?
  • 訪問査定後に提示された査定額の根拠を明確に言えるか?

以上6つのチェック項目をすべてクリアできる不動産会社なら、安心してマンションの売却を依頼できるでしょう。

2. 買取保証付きでマンション売却をする

居住中のマンションを売却するデメリットでも紹介したように、マンションに住みながら売却活動を行うと、買い手がなかなか見つからず売却期間が延びてしまうこともあります。

売却期間が延びてしまうと、ストレスを感じるだけでなく、マンションの価格をどんどん値下げしなければならなくなります。

売却期間が延びてもいいことはあまりないので、短期決戦でマンションを手放せるように、買取保証付きでマンションの売却活動をはじめましょう。

買取保証とは、マンション売却を依頼した不動産会社が、3ヶ月以内に買主を見つけられなかった場合に、不動産会社がマンションを買い取る保証のことです。

つまり3ヶ月以内にマンションを売却できなかったときは、不動産会社がマンションを購入してくれるので、売却活動が最長3ヶ月で終了できます。

マンション売却を早く終わらせたい!内覧へのストレスから早く解放されない!と思う方は、買取保証を利用してみましょう。

HOME4Uで買取保証サービスのある不動産会社を探す

3. マンションの物件情報には居住中でも室内の写真を載せる

マンションの売却活動がはじまると、物件情報の1つとして室内の写真を撮ります。

不動産会社が室内を確認するために写真を撮る目的もありますが、なにより買主に部屋の様子を見てもらうために写真を用意します。

ですが居住中のマンションとなると、日常生活の様子が出てしまうので、室内の写真を撮りたくないと考える売主さんもいるでしょう。

実際にHOME4Uで掲載されている売り物件を見てみても、居住中物件には室内の写真がほとんどありません。

プライベートな室内の写真を撮られたくない気持ちはわかりますが、部屋の図面や外観の写真だけが掲載されていても、買主は部屋のイメージができません。

反対に室内の写真が掲載されていない中、居住空間を撮った写真が載せられていると、他の物件と差別化できて、買主の目にもとまりやすくなるでしょう。

マンションの写真は「リビング」「寝室」「子供部屋」「キッチン」「バスルーム」「洗面台」「バルコニー」「玄関」など、買主が気になるとこをなるべく撮るようにしてください。

ペットなどがいる場合は、一緒に掲載するとほのぼのした雰囲気が買主に伝わるので、ぜひ一緒に撮影してみましょう。

4. 内覧ではおもてなしの心で買主を迎える

現在住んでいるマンションに内覧者を迎え入れるのは抵抗を感じるかもしれませんが、あなたのマンションを購入するか決めるものなので、買主をこころよく迎えてください。

ただこころよく迎え入れると言っても、内覧のために何をすればいいのかわからないことも多いかと思うので、次のことを意識してみましょう。

  • 買主にあわせて内覧の日時を調整できるように予定を空けておく
  • マンションの内覧は妻が案内する
  • 内覧中は買主との会話を積極的に行う
  • 内覧の前には2時間ほど換気を行う
  • 買主が室内を見て回りやすいように各部屋や収納スペースの扉を開けておく

大変かもしれないですが、まず第一にプライベートよりも内覧の予定を優先するようにしてください。

内覧のほとんどは土日に行われるので、週末が潰れてしまうことを残念に思うかもしれませんが、売却期間中は辛抱しましょう。

ですが家族全員が内覧に立ち合う必要はありません。

むしろ家族全員で内覧に立ち合ってしまうと、人の多さから部屋が狭く感じてしまうので、内覧に立ち合うのは1人にして、残りの家族は外で過ごしましょう。

できれば内覧に立ち合うのは女性(妻など)に任せてください。

女性の方が買主に対してやわらかい印象を与えますし、家事やご近所付き合いが多い妻の方が、マンションの細かいところまで買主に伝えられます。

買主とはできるだけ積極的に会話を行って、物件のいいところ悪いところも含めて伝えるようにしましょう。

また内覧直前の2時間前から換気を行うようにしてください。

普段過ごしていると気が付きにくいですが、部屋には居住者家族の匂いがしみついています。

どれだけいい物件でも、匂いに敏感な買主に悪い印象を与えてしまいかねないので、十分な換気を行うようにしましょう。

換気が終わったら、各部屋の扉や収納スペースを開けて、買主が内覧をゆっくり行えるように準備しておいてください。

5. マンションの売却価格は値下げをしながら様子を見る

マンションの販売価格は、売出期間やマンション周辺の物件の様子を見ながら、値下げを行いましょう。

マンションを早く売却するのであれば、思い切った値下げも必要かもしれません。

売出から時間の経過ごとに行う値下げの推移としては、以下を参考にしてください。

売りはじめ 査定額の115%
~2週間 査定額の110%
~4週間 査定額の105%
~6週間 査定額の100%
~8週間 査定額の95%
~10週間 査定額の90%
~12週間 査定額の85%

表の価格はあくまで参考程度に見ておき、実際には不動産会社と相談しながら決めるようにしましょう。

またマンションの売却価格を値下げなどで見なおすときは、いくつかの注意点があります。

  • いきなり大幅に値下げをしすぎない
  • 住み替えなどの費用も見越して価格を決める
  • 一度値下げをしたら元の価格には戻せないと思って料金を設定する
  • 買主の価格上限を意識して料金設定をする

いきなり大きく値引きを行うと、買主は見つかるかもしれませんが、損する可能性が高くなります。

一度値下げを行うと元の価格に戻しても売れなくなるので、値下げ幅には気をつけましょう。

不動産会社から言われるかとは思いますが、あなたが住み替えに必要な費用も見越した上で販売価格を設定するようにしてください。

住み替えに必要な費用だからといって価格を高く設定してはいけませんが、査定額の115%を基準に価格を設定すれば問題ないでしょう。

また価格を設定するときは、買主の価格上限を意識すると、不動産サイトで物件を探している買主に、検索してもらいやすくなります。

たとえば価格を3510万に設定すると、不動産のサイトで3000~3500万円の中古マンションを探している買主には、あなたの物件が表示されません。

少しでも多くの人に物件を見てもらえるよう、買主目線の価格設定を意識しましょう。

6. 部屋にある物を減らして室内を広く見せる

内覧を経験した山口さんの話にもありましたが、家具などを片付けて部屋を広く見せると、内覧に訪れた買主に与える印象がよくなります。

部屋に物が多い家庭はこれを機に思い切った断捨離をして、物を片付けてしまいましょう。

思い入れのあるものばかりで捨てられないという方は、一時的に家具や家財を倉庫に預けることもできます。

業者に頼めば1ヶ月あたり1~2万円程度で家具をまとめて保管できる倉庫を借りられるので、生活に必要なもの以外はすべて預けてしまってください。

大事な家具を倉庫に預ける

7. 水回りや普段掃除しないところまでキレイに掃除する

マンションに住んでいると、当然部屋は汚れていきます。

小さい子どもやペットを飼っている家庭ならなおさらのことでしょう。

マンションに住みながら売却をするのであれば、普段汚れやすい水回りや、普段は掃除できていないところをまとめて大掃除してください。

  • キッチンなどの水回りは排水溝までキレイに掃除
  • 泥や砂で汚れやすい玄関は水をまいて掃除
  • 普段掃除する機会が少ないバルコニーもブラシを使って掃除

大掃除をする時間がなければ、業者に依頼するのもいいでしょう。

3LDKの部屋を掃除する場合、5万~8万ほどで部屋全体をキレイにしてもらえます。

そして一度大掃除を行ったら、キレイな状態を少しでも維持できるように、こまめな掃除を行うようにしましょう。

居住中のマンション売却でよくある質問

買主が内覧に来たとき子どもも同席させて大丈夫なの?

マンションの内覧に子どもも同席して問題ありません。

とくに小さいお子さんがいる家庭なら、内覧中であっても子どもの側にいなければならない状況もあるかと思います。

ですが子どもは、家に知らない人が入ってきたストレスなどからぐずりだしてしまうこともあるでしょう。

そうなると子どもの方に手がかかってしまい、売主も買主もゆっくり内覧できません。

可能なら子どもを夫婦のどちらか一方に預けて、片方が1人で内覧に対応しましょう。

もし小さいお子さんを連れて内覧を行うのであれば、事前に不動産会社から買主に伝えるようにすると、買主も心づもりができるので安心して内覧を行えます。

居住中のマンションを売却して売れないときは空き家にした方がいいの?

マンションに住みながら売却をしてみたところ、なかなかマンションが売れないこともあるかと思います。

もし売れないときは、思い切って空き家にしてみるのもいいでしょう。

ですがマンションが売れない理由は、他に原因がある可能性もあります。

空き家にする前に、今一度売却活動の内容を見なおしてみましょう。

  • 物件情報に室内の写真を掲載しているか?
  • 内覧に訪れた買主に対して印象の悪い対応をしていないか?
  • 室内に修繕すべき箇所はないか?
  • マンションの売買価格が高すぎないか?
  • 不動産会社と協力して売却活動を行っているか?

これらを行ってもなおマンションが売れないなら、一度空き家にして様子をみてみるといいかもしれません。

ただし立地や間取りが悪いなど、売れない原因がマンションそのものにある場合は、空き家にしても売れない可能性があるので、不動産会社にマンションを買い取ってもらう方がいいかもしれません。

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内覧に立あわずに居住中のマンションを売却する方法はないの?

マンションに居住しながら売却するには、基本的には内覧に立あわなければなりません。

普段生活をしているわけですから、あなたの貴重品や私物がたくさんあります。

買主や不動産会社が内覧中に盗みをはたらくとは思わないですが、万一があってはならないので立ち合いをした方がいいでしょう。

不動産会社によっては、売主との信頼関係によって、居住中のマンションであっても内覧を担当者に任せることもできるかもしれません。

ですがあまりオススメできないので、内覧に立ち会いたくない、もしくはどうしても立ち合う時間がとれない、空き家にした方がいいでしょう。

【まとめ】居住中のマンション売却は内覧での対応で決まる!

ここまで居住中のマンション売却について紹介してきましたがいかがでしたか?

これまでの内容を以下にまとめました。

居住中のマンションを早く売る方法

  • マンションの内覧で買主にいい印象を与える
  • マンション売却が得意な不動産会社に売却を依頼する
  • 買取保証をつけて最短3ヶ月でマンションを売却する

内覧を経験した山口さんの話にもあったように、居住中のマンションは内覧時の様子で買主の購買意欲が左右されます。

売却期間を長引かせないためにも、内覧者に配慮したマンション売却を進めましょう!