マンションが売れるか売れないかは、内覧で決まります。
内覧は、買主があなたのマンションを見て「買いたい!」と思ってもらえるかどうかの、大事な時間です。
にもかかわらず、内覧の準備をおこたってしまう売主も多く、買主を売り逃すケースがあとをたちません。
「内覧者が来ない……。このままマンションが売れなかったらどうしよう。」
「内覧の件数が少ないような気がするけど、こんなものなの?」
「内覧にくる人はいるのに、マンションが全然売れない!」
このように感じているなら、内覧の準備が十分にできていない可能性が高いです。
もしくは、内覧での買主に対するあなたの対応がよくなかったのかもしれません。
人は感情で判断することが多いので、どれだけあなたのマンションに魅力があっても、内覧の対応や準備が行き届いていないと売れません。
そこで今回は、内覧者が来なくて困っている人、内覧のために何を準備していいかわからない人のために、次の3つをテーマにして紹介していきます。
- マンション物件に内覧者が来ない原因
- マンション売却を成功させる内覧のポイント
- 内覧があってもマンションが売れないときの注意点
以上の3つのポイントを押さえていれば、内覧からマンションの成約まですぐに決まるはずです。
マンションが売れるまで、内覧に対応するのは大変かとは思いますが、あなたが満足する形でマンションを売却するために、あと少し頑張りましょう!
マンションの内覧件数は3ヶ月で10件あれば売却できる!
「どのくらいの内覧数があればマンションを売却できるんだろ?」と思っている方も多いでしょう。
だいたいではありますが、3ヶ月間で5~10件ほどの内覧があれば、マンションは売れるかと思います。
とはいっても1回の内覧で成約されることもありますし、内覧を何十回行っても売れないこともあります。
マンションの売れない時期が続くと、内覧件数はどんどん減っていくので、一つひとつの内覧を丁寧に行い、マンション売却を早く終わらせましょう。
内覧者数が少ないと感じた方は、まずは1週間に1回程度の内覧を目指して、今の内覧を見直しましょう。
マンション売却をはじめても内覧が来ない4つの原因
まずはじめに、あなたのマンションに内覧が来ない原因を探りましょう。
- マンションの販売価格が高くて内覧の候補にならない
- マンションの物件情報に内覧者が気づかない
- 不動産会社が売却活動に力を入れていない
- マンションの基本条件が内覧者の希望にあっていない
内覧数が少ないのは、ほとんどの場合、マンションの物件情報に原因があります。
インターネット上に掲載されている物件情報や、不動産会社が買主に提示しているマイソク(物件の資料)に何か問題があるのかもしれません。
上の4つどれかに当てはまるなら、内覧の準備より先に、あなたの物件や売却を依頼した不動産会社の見直しをしてみましょう。
マンションの販売価格が高くて内覧の候補にならない
買主がマンションの購入にあたって、一番注目するのは販売価格です。
とくに中古マンションであれば、料金を基準にしてマンションを選んでいる買主は多いでしょう。
現に、不動産情報サイトで中古マンションを検索する多くの買主は、マンションの販売価格の幅を絞って検索しています。
そのためマンションの販売価格を中途半端な料金設定にすると、価格を絞って検索している買主の検索結果に、あなたの物件が表示されない可能性があります。
たとえばマンションの販売価格を3510万円で設定していた場合、3000万円から3500万円で検索をかけた買主には、あなたのマンション情報は表示されません。
つまりたった10万円の差で、あなたは内覧の見込み客を逃している可能性があるのです。
物件情報を少しでも多くの買主に見てもらうなら、買主が設定する価格上限を意識して販売価格を決めるといいでしょう。
また販売価格が単純に高すぎるのが原因で、内覧候補にあがらない可能性があります。
- マンション周辺で売りに出されている物件に比べて高すぎないか?
- 市場価格や査定額に比べて強気な価格設定をしていないか?
- マンション売却時から価格を変えないまま売却活動を続けていないか?
設定したマンション価格が適正かどうか今一度チェックしてみましょう。
マンションの物件情報に内覧者が気づかない
買主がマンションの物件情報を目にする機会は、主に「不動産会社が紹介する」または「不動産情報サイトで調べる」のどちらかでしょう。
買主が不動産会社を訪れる場合は、不動産会社の担当者が買主の意向にあった物件を紹介するだけなので、とくに内覧の見込み客を逃すことはないです。
ただし買主がインターネット上に掲載されている情報を見て、マンションを探している場合は、せっかくの内覧見込み客を逃す可能性があります。
内覧者を逃してしまう原因の一つが、掲載している写真の少なさです。
一度、不動産情報サイトで中古マンションの物件を調べてみるとわかるのですが、ほとんどのマンションは外観写真と間取りの見取り図しか掲載していません。
マンションの外観や間取りはどれも似たりよったりなので、違いにあまり差がないので、仮にあなたのマンションに目がとまったとしても印象が残らず、すぐに別の物件へと目が移ってしまいます。
インターネット上の物件情報には、なるべく多くの写真を掲載するようにしましょう。
物件情報に掲載するとよい写真
- リビング
- キッチン
- お風呂
- トイレ
- バルコニー
- 収納スペース
- 寝室
- 子供部屋
- エアコン
可能な限り家のあらゆる箇所を撮って掲載してみてください。
居住中のマンションを売却する方は、なかなか写真を撮りづらいかもしれませんが、早くマンションを売却するなら、少しでも買主の目に留まる確率を上げていきましょう!
不動産会社が売却活動に力を入れていない
じつは中古マンションの場合、買主の多くは不動産会社から物件情報を得ています。
つまり買主が内覧に訪れるかどうかは、不動産会社の売却活動にかかっているので、不動産会社選びは重要です。
ですが残念ながら大手不動産会社でも、あなたの物件を担当する担当者が、うまく売却活動できるとは限りません。
もし今の担当者が、「頼りない」「問い合わせても返事が遅い」「対応が悪い」「買主に失礼な態度をとる」など思い当たるところがあれば、不動産会社を変えてみてください。
ただし変えるといっても、自分でもう一度不動産会社を一つずつ探していくのは手間なので、HOME4Uなどの一括査定サイトで複数の会社をまとめて探すといいでしょう。
しっかり売却活動を行ってくれそうな不動産会社を選ぶなら、次の5つに注目です。
- マンション査定を念入りに行っている
- 査定額の根拠を明確にしている
- 査定の担当者がマンション周辺の地理に詳しい
- 担当者のマンション販売実績が高い
- 売主にも買主にも愛想がいい
今度こそ、いい不動産会社と媒介契約を交わし、内覧の数を増やしてマンションの売却機会を増やしましょう!
マンションの基本条件が内覧者の希望にあっていない
当然ではありますが、買主によってマンションに求める条件は違います。
家族構成や年齢、ライフスタイルによってマンションに求める条件が違うので、必ずしもあなたのマンションが万人受けするわけではないのです。
とくに中古マンションとして需要が低いと言われるのは、次の7つ。
- 変形した間取りで使いづらい
- 家族で住むには狭すぎる(または広すぎる)間取り
- 部屋が1階や2階の低階層
- 築年数が40年以上の古いマンション
- 都心部へのアクセスが悪い郊外に立地している
- マンションに定期借地権がついている
- 管理費や修繕積立金などのランニングコストが高い
以上のすべてに当てはまるようなマンションはないかと思いますが、いくつか該当する方は、どこかいい点を売りのポイントにする必要がありそうです。
またマンションを購入してくれそうな買主に対してだけ、売却活動をしてみるのもいいでしょう。
たとえば将来買い替えを検討している買主は、不動産価値が低い築古のマンションを買うことは少ないです。
ですが築年数が古くても間取りがよく、基本的な設備に問題がなければ、終の棲家としてマンションを安く探している買主には売却できるかもしれません。
またファミリー層に人気のないデザイン性のある部屋などは、ベンチャー企業向けのオフィスとして売却できる可能性もあります。
このようにあなたのマンションにしかない特徴を見つけて、ある特定の買主を意識すると、内覧の数がそれほど多くなくても成約しやすくなるでしょう。
それでもマンションの基本的な条件が悪くて、内覧にくる買主を見込めなさそうな方は、買取保証付きでマンションを売却してみてください。
マンション売却を成功させる内覧のポイント10個
マンションの基本情報を見直せたら、つぎはいつ内覧があってもいいように準備をしておきましょう。
せっかく内覧に来てくれた買主を逃さないよう、「内覧の前日までに準備しておくこと」と「内覧当日に準備しておくこと」の2つにわけて内覧が成功するポイントについて紹介します。
あなたが今行っている内覧と照らし合わせて、改善できるところがあればぜひ取り入れてみてください。
内覧の前日までに準備しておくこと
内覧の準備が前日までにできているかどうかで、買主に与える物件の印象が決まります。
またあなた自身も、内覧までに準備しておくことで内覧当日、気持ちよく買主を迎え入れることができるかもしれません。
なので内覧の前日までに以下の6つを準備しておきましょう。
- 水回りを中心に念入りな掃除をする
- 部屋の欠陥箇所を修繕しておく
- 物を減らして部屋全体が広く見えるようにする
- 内覧当日に必要なものを用意しておく
- いつでも内覧対応ができようにスケジュールを空けておく
- 買主の質問に答えられるように準備しておく
1. 水回りを中心に念入りな掃除をする
すでに行っているかとは思いますが、内覧前の準備でもっとも重要なのが部屋の掃除です。
とくに水回りの掃除は念入りに行なってください。
水回りはあなたを含め家族の生活感や性格が出るので、きちんと掃除がされていれば買主にいい印象を与えられるでしょう。
普段から掃除する機会が多いリビングなどはもちろんのこと、普段はなかなか掃除する機会が少ない「水回り」「玄関」「バルコニー」「エアコン」をまずキレイにしていきます。
- いつも掃除するときに使っている洗剤を使って掃除
- 水に溶かしたクエン酸を使って水垢をとる
- 排水溝のゴミをあらかた取り、重曹とクエン酸を1:2の割合で排水口に入れて水を流す
- 排水口が詰まりやすい場合は、排水口がの蓋やカップを取って排水溝に直接重曹をかけて15分ほど待つ
- お湯に溶かしたクエン酸を排水溝に流し込み、発生した泡が落ち着いた頃を見計らって水を流す
- 靴はすべて収納して消臭剤を使う
- 背丈より高いものを置いている場合は別の部屋に片付ける
- 掃除機やほうきで大きなゴミは取り除き水をまいて磨く
(玄関の床がタイルの場合は溝の部分までしっかり磨く) - 重曹を混ぜた水をまいて5分ほど放置したらもう一度水をまく
- 室外機をキレイに水拭きする
- 手すりや壁も水拭きする
- ほうきなどを使って大きなゴミをはく
- 床に重曹を混ぜた水をまいてデッキブラシでこする
- 水を流し、流れた水が通る溝や排水溝を掃除する
- 業者に依頼して掃除をしてもらう(エアコン1代あたり:8000円ほど)
掃除をするときに一番注意してほしいのが、メラミンスポンジ(激落ちくんなど)を使わないことです。
メラミンスポンジは研磨剤のはたらきをするので、使用すると表面に細かい傷が付き、磨いたときはキレイになっても、傷にゴミが入り込み汚れやすくなります。
買主が購入したあとにキレイな状態で使ってもらうためにも、使用するスポンジやタオルなどに気をつかって掃除してください。
上の掃除方法をみて、「エアコンは内覧に関係ないから掃除しなくてもいいのではないか?」と思った方もいるのではないでしょうか?
じつはエアコンから出る空気は、部屋をホコリ臭くさせる原因なので、エアコンを使用しなければならない時期に内覧を行う場合は、事前に掃除をした方がいいでしょう。
この他にもリビングや寝室もきちんと掃除しておいてくださいね。
2. 部屋の欠陥箇所を修繕しておく
築年数が古いマンションは、目に見えない部分の欠陥箇所に注意してください。
マンションの経年数とともに、劣化が進んでいる可能性があります。
床の劣化や壁が汚れたまま売却してもかまいませんが、なるべくキレイにしておいた方が内覧時の印象はいいでしょう。
契約後、あまりに欠陥箇所が目立つ場合は、(※)契約不適合責任を問われて買主から損害賠償や追完請求、マンションの代金減額請求をされる可能性もあります。
※契約不適合責任とは、契約した内容と数量や品質などに違いがある場合に売主が追う責任
なのであなたのマンションにどの程度の劣化や欠陥があるのか、ホームインスペクションで診てもらってください。
ホームインスペクションとは、住宅診断士などの住宅に関する専門家が、マンションの劣化状況や、欠陥箇所を調査して修繕するべき箇所を診断することです。
ホームインスペクションを受けて何もなければ、マンションの安全性が担保されている証拠にもなるので内覧に訪れた買主も安心するでしょう。
3. 物を減らして部屋全体が広く見えるようにする
部屋の中に物が多い家は、内覧を機に断捨離を行ってみましょう。
内覧の前に隅々まで掃除をしたとしても、部屋の中に物が多いと窮屈な印象になります。
もし可能であれば、生活に必要のないものは捨てるか、家具の一時預かりを行っている業者に依頼して荷物を預かってもらうのがいいでしょう。
新居先が決まっている場合は、内覧前に物件を空き家にしてもいいかもしれません。
空き家で部屋に何も無いほうが部屋の寸法を測りやすいので、内覧に訪れた買主も購入後のイメージをしやすくなります。
4. 内覧当日に必要なものを用意しておく
内覧当日には、特別なものを用意する必要はありませんが、次のものは用意しておいてください。
- スリッパ
- 芳香剤
- お茶
内覧に訪れた買主のために、キレイなスリッパを用意しておきます。
すでにあるスリッパを使用しても構いませんが、できればキレイな物を使用してください。
また「玄関」「リビング」などの、生活臭のしやすい場所には芳香剤を置くようにしましょう。
とくに玄関は、内覧者が一番はじめに通る場所なので、靴などの臭いがすると物件に対して悪いイメージが残ります。
物件の第一印象をよくするためにも、消臭剤や芳香剤などを用意するようにしましょう。
内覧に訪れた買主は物件を見に来ているため、お茶を出す必要はありませんが、話が盛り上がったときは、買主にゆっくり会話してもらえるようお茶を用意しておくと親切です。
5. いつでも内覧対応ができようにスケジュールを空けておく
内覧は主に土日に行われることが多いですが、平日にも内覧を希望する買主がいます。
平日だと仕事もあるので、内覧に対応しづらいかもしれませんが、できるだけ対応できるようにスケジュール管理しておきましょう。
家族で住んでいるマンションを売却するときには、夫婦のどちらか一方が内覧に対応できれば問題ないので、お互いに協力しあって売却活動を進めてください。
内覧には、およそ1~2時間かかります。
もちろん内覧に訪れる買主によって滞在時間は異なりますが、あまり買主を急かさないよう、時間には余裕をもって対応してあげると親切です。
6. 買主の質問に答えられるように準備しておく
内覧では、室内の様子や間取りを見られるだけでなく、住む上で住環境に問題がないかまでチェックする買主さんが多いです。
なので買主からは、たくさんの質問をされることもあります。
中には質問されて困ってしまうようなこともあるでしょう。
そばに不動産会社の担当者がいるときには、担当者に質問をうまくかわしてもらうこともできますが、担当者が席を外しているときはあなたが対応しなければなりません。
そのときに、歯切れが悪くならないよう、事前に買主から質問されるかもしれないことを予測して回答を準備しておきましょう。
内覧時に考えられる買主からの質問
- マンションを購入したときの価格はいくらでしたか?
- 値引きには対応してもらえますか?
- 今回はどうしてマンションを売りに出されたのですか?
- 近隣住民とはお付きあいがありましたか?
- お隣にはどんな方が住んでいますか?
- 住んでいて良かった点や都合が悪かった点はありましたか?
- 最寄り駅の始発と終電は何時くらいですか?
- 潮風の影響を受けることはありませんか?(海に近いマンションの場合)
- 住んでいる間に事故や事件はありませんでしたか?
- 深夜にバイクの走行音がうるさいと悩まれたことはありましたか?
- マンション内でトラブルが起きたことはありましたか?
- 車椅子でも生活できるようなバリアフリー機能はありますか?
- インターネットやアンテナ受信の繋がりが悪いと感じたことはありますか?
これら以外にも、質問されることもあるかと思いますが、答えづらいものやその場で答えられないものは、「あとから不動産会社を通じてお伝えしますね」とやんわりかわしてしまいましょう。
内覧当日に準備しておくこと
内覧の前日までに部屋の掃除など準備ができていれば、あとは内覧当日の準備で最終調整を行いましょう!
- 内覧の2時間前から換気をする
- 内覧に訪れた買主と積極的に会話する
- マンションの内覧対応は女性がする
- すべての部屋やクローゼットを売主から見せる
7. 内覧の2時間前から換気をする
毎日住んでいると気がつきにくいのですが、家にはその家庭どくとくの生活臭がしみついています。
家庭の臭いをそのままに内覧を行ってもいいのですが、臭いに対して相性の悪い買主だと、玄関の扉を開けた時点で物件に対してあまりいい印象を持ってもらえません。
少しでも部屋の臭いを緩和させるためにも、内覧の2~3時間前には十分な換気を行っておください。
もしエアコンを付ける時期に内覧を行う場合は、内覧の3時間前から換気をはじめ、1時間前に窓をしめてエアコンで室温を整えましょう。
8. 内覧に訪れた買主と積極的に会話する
内覧では物件も重要ですが、物件と同じくらい買主とのコミュニケーションも重要です。
あなたのマンションが優良物件でなくても、買主とあなたとの会話次第で成約する可能性もあります。
買主と会話がしづらいかもしれませんが、ここは勇気を出して積極的に話しましょう!
内覧中に買主と交わす会話の中で、意識してほしいことが4つあります。
内覧中に買主との会話で気をつけること
- マンションのいいところをアピールする
- ウソをつかない
- 口約束を交わさない
- 買主がマンションを買いたいと思うような言い回しをしてみる
立地の良さや部屋のデザイン性など、あなたがアピールしたいと思う、マンションのいいところを伝えられるようにしてください。
ただアピールしたポイントが、必ずしも買主の心に響くとは限らないので、「どんなマンションを希望している買主なのか?」を、不動産会社へ事前に問い合わせておきましょう。
また当然のことではありますが、買主に対してウソをついてはいけません。
都合の悪いことはウソをついてごまかしたり、マンション物件を誇張しすぎたりすると、あとになって買主と揉める可能性があります。
そして口約束も、言った言わないの揉め事になるので、「値引きに対応する」「エアコンは置いていく」など簡単に約束しないようにしてください。
ここまでできたら十分ですが、さらに成約率を少しでも上げるなら、買主がマンションを購入したいと思えるような一言を言ってみましょう。
- 「主人の転勤などがなければずっと住みたかった」
- 「先週内覧にきてくださった方も、部屋の状態がいいとほめてくださった」
- 「このマンションの◯◯がよくて購入したんです」
会話の中で買主の心を動かすような一言を添えるだけで、買主の購買意欲も上がるので、ぜひ試してみてください。
9. マンションの内覧対応は女性がする
夫婦で住んでいるマンションを売却するときには、奥さんの方が内覧の対応を行うといいでしょう。
お互い初対面なので、やはり内覧中は買主も緊張します。
なので内覧の対応を行う売主が、やわらかい印象のある女性だと、場の雰囲気も和むでしょう。
しかも内覧を奥さん一人が対応することで、買主から答えづらい質問をされても、「主人と相談してから回答したい」と、質問を回避することもできます。
内覧を含め売却活動中は、夫婦それぞれの役割をわけてうまく立ち回っていきましょう!
10. すべての部屋やクローゼットを売主から見せる
買主はマンションのすべてを見せてもらえるものだと思って、内覧に来ています。
クローゼットや寝室、子供部屋などでも、見てもらえるような状態にしておきましょう。
ですが買主は、自分からクローゼットを開けたり寝室などを見て回ったりはしづらいものです。
なので売主みずから、買主に見てもらいやすいように、クローゼットや寝室の扉を開けるようにしてあげてください。
ただし物件とはまったく関係のない衣装ケースの中身や引き出しの中身などは、見せる必要はありません。
中には、動産と不動産の別け隔てなくいろいろな物を見ようとする買主もいるので、家具や家電などに関してはムリに見せる必要はないでしょう。
内覧はあるのにマンションが売れないこともある
「内覧の件数は多いのにまったく成約しない…」とお手上げ状態の人もいるかと思います。
内覧に訪れている時点で、あなたの物件に興味があることは間違いありません。
では興味があったはずの物件を見て、なぜ成約にまで至らないのでしょうか?
それは間違いなく、内覧中に何か問題があったからです。
これまでに紹介してきた、内覧に成功する10のポイントをきちんと行ったとしても、どうにもならないことで、マンションが成約しづらいことはあります。
その原因として考えられるのが次の4つです。
- 同じマンション内で複数の物件が売りに出されている
- マンション内の臭いで内覧時の印象が悪くなった
- インターネットの掲載物件と内覧でみた物件にギャップがある
- 内覧中に見回った共有スペースが汚かった
同じマンション内で複数の物件が売りに出されている
同じマンション内で、物件を売りに出す時期が被ってしまうと、買主は他の物件も内覧して買回りを行います。
買主が他の物件を見て、「こっちの方が条件いい」または「値引きを行ってくれる」などと判断すれば、あなたの物件より他の物件を選びかねません。
ただしあなたのマンションに興味をもつ買主が複数組いれば、買回りをされても物件が成約する可能性はあります。
同じマンション内で複数の物件が売りに出されているときは、買主とのコミュニケーションを密にとって、希望条件を聞き出すようにしていきましょう。
マンション内の臭いで内覧時の印象が悪くなった
内覧の2時間前には換気をしておくようにと紹介しましたが、換気をしても部屋に染み付いた生活の臭いで買主の印象を悪くしてしまう可能性があります。
またあなたの部屋だけでなく、部屋の外である通路やエレベーター、ゴミ捨て場などの臭いが気になる買主も多いでしょう。
部屋の匂いなら芳香剤などを焚いて対策もできますが、共有スペースに関してはあなた一人でどうにかできるものではありません。
あなたからみてマンション内の臭いが気になるときは、管理会社や管理組合に連絡を入れて、何か対処してもらえないかを相談してみましょう。
インターネットの掲載物件と内覧でみた物件にギャップがある
インターネットに掲載する物件情報に偽りはないと思いますが、掲載情報と実際に内覧にちょっとした違いがあると、買主は残念に思います。
「部屋の形が思ったより変形していた」「ここに柱があると思わなかった」「シンクの幅が狭かった」など買主の中で残念に思うポイントがあるのです。
買主が感じている悪いギャップを埋めるためにも、物件情報には十分な写真を掲載しておきましょう。
すでに紹介しましたが、インターネットに掲載する物件写真は、「台所」「浴室」「バルコニー」など多くの写真を撮るようにしてください。
とくに買主が気になりそうなところは、積極的に写真を撮るようにしましょう。
内覧中に見回った共有スペースが汚かった
普段はキレイにされている共有スペースでも、内覧の日に限って汚いことはあります。
ですが買主は普段の共有スペースの状態は知らないので、買主には「汚い共有スペース」という印象しか残らず、他にいい物件があれば心移りしてしまうかもしれません。
なので内覧のときに買主へいい印象を与えるためにも、駐車場や駐輪場、エントランス、ゴミ捨て場などのを掃除してみるのもいいでしょう。
もちろん共有スペースなので、あなただけが掃除をする必要はないのですが、ちょっとキレイにする程度なら自分でしてしまったほうが早いです。
それにあなたが率先して共有スペースを掃除している姿で、他の住人にも影響を与えてキレイに使ってくれるかもしれません。
マンション売却における内覧でよくある質問
内覧後に買主から返事が来ないけどいつになったら来るの?
内覧後に買主からすぐ返事が来ないと不安になる気持ちはわかります。
ですが買主からすれば、大きな買い物をするわけですから、購入するか慎重になってしまうしまう気持ちもわかってあげてください。
なので買主からの返事はすくなくとも、1週間は待ってあげましょう。
1週間経っても返事がないときは、担当の不動産会社に連絡を取り、買主から何か連絡がないか聞いてみてください。
もちろんその間に別の内覧した買主が購入を決めたのであれば、返事がない買主に対してはお断りをしても問題ないです。
内覧に冷やかしで来る人まで対応しないといけないの?
どんな内覧者を冷やかしと判断するかは難しいですが、”ついで”のような感覚で内覧に来た買主に関しては断ってもいいでしょう。
たとえば不動産会社から「買主さんが、目当ての物件を内覧するついでにあなたのマンション物件も内覧したいそうなのですが、今からうかがってもいいですか?」などの連絡を入れてくることがあります。
急な内覧のうえに、あなたの物件が第一候補でもない買主に対して内覧をムリに対応しなくてもかまいません。
ただ時間に余裕があれば、内覧対応の練習だと思って内覧を受け入れてみてください。
実際に内覧をしてみて気づきがあれば、本番の内覧で活かせますし、あなた自身も本気じゃない買主相手の方が楽な気持ちで対応できて息抜きにもなるかもしれません。
小さい子どもと一緒に内覧対応しても問題ないか?
子どもと一緒に内覧の対応を行っても問題ありません。
ただしあまりに暴れまわるような、やんちゃ盛りの子どもであれば、内覧中に買主に対して失礼になることもあるので、お父さんとお母さんどちらか一方が外へ連れて行ったほうがいいでしょう。
また子どもと一緒に内覧の対応をすると、親としてのしつけの部分も買主にチェックされかねません。
あなた自身が落ち着いて内覧を行いたいのであれば、子どもには席を外してもらってください。
人と接するのが苦手だから不動産会社に内覧を任せられないのか?
売主が希望すれば、不動産会社の方で内覧を進めることもあります。
ですが買主はどんな人物がそのマンションに住んでいるのか気になるものなので、人と接するのが苦手でも内覧には対応した方がいいでしょう。
それに居住中のマンションなのに内覧の対応をするのが不動産会社のみだと、かえって不自然です。
内覧はたった1~2時間程度なので、とりあえず笑顔で買主を迎えてあげてください。
内覧中にお茶って出したほうがいいの?
内覧中にお茶を出す必要はありません。
買主はあなたのマンションがどんな物件なのか見るために、内覧へ訪れています。
お茶を出してしまうと流れで席についてしまうので、買主が部屋を見回る機会を奪ってしまいます。
もしお茶を出すのであれば、一通り部屋の中を案内して、買主との会話が弾んできたときに、お茶を出してゆっくり会話をするといいでしょう。
ムリにお茶を出す必要はないですが、お客さんをおもてなしするつもりで、案内をするようにしてくださいね。
【まとめ】マンション売却のための内覧は不動産会社と協力しよう!
ここまでマンションを売却するための内覧について紹介してきましたが、いかがでしたか?
これまでの記事を以下にまとめました。
- 売却活動に力を入れる不動産会社と媒介契約を交わす
- マンションの販売価格は適正価格で設定する
- たくさんの写真を撮って物件情報に掲載する
- 内覧の前日までに部屋をキレイに掃除する
- いつでも内覧ができるようにスケジュールを管理する
- 買主からの質問に応えられるよう内覧前に回答を準備しておく
- 内覧に訪れた買主とは女性が積極的に会話する
- 1回の内覧ですべて見てもらえるように売主から部屋を案内する
内覧をするための準備はあなたにもできますが、実際に内覧へ連れてくるのは不動産会社なので、不動産会社と協力して売却活動を進めていきましょう。
ですが記事で紹介してきたことを実践してもなお、「内覧がない」「内覧後に成約しそうな気配がまったくない」などあれば、不動産会社に問題があるかもしれません。
- 周辺のマンションは続々と売れているのにうちには内覧さえない
- 絶対に売れるマンションのはずなのに内覧がない
- 内覧後に不動産会社の方から連絡が来ない
- 不動産会社がマンションの価格引き下げだけを要求して内覧者がまったくない
思い当たるところがある場合は、他の不動産会社と媒介契約を交わすことも検討してみてください。
ですが今から不動産会社を一つずつ探すのも大変かと思うので、HOME4Uなどの一括査定サイトから不動産会社をまとめて探しましょう。