固定費の大部分を占める家賃。
マンションなどの賃貸物件に住むと、毎月出ていく出費がかさむものです。
もちろん、家賃に納得した上で賃貸契約をするわけですが、契約時とは事情が変わって家賃の支払いに頭を悩ませることもあるでしょう。
とくに2020年に流行った新型コロナウイルスの影響で収入が減った世帯は、家賃の支払いに困っていることと思います。
現に、新型コロナウイルスの影響を受けて、入居者から家賃の滞納や解約の相談を受けたと回答した不動産会社は200社中70社もいるそうです。(クローズアップ現代調べ)
もし家賃の支払いが気になるなら、一度家賃交渉をしてみてはいかがでしょうか?
「家賃交渉したいけど、うまくいくものなの?」
「家賃交渉してどのくらい値下げしてもらえるものなの?」
「家賃交渉して大家さんと気まずくならないの?」
このように、家賃交渉をしてみたくとも、不安や抵抗感があって交渉に踏み出せない方もいるかと思います。
そこで、なるほど!不動産売却では「入居後に行った家賃交渉」について、マンション入居後に家賃交渉をした140人にアンケート調査を行いました。
アンケートの調査内容
- 家賃交渉時に住んでいたマンションの所在地
- 家賃交渉時の間取り
- 家賃交渉をした理由
- 家賃交渉の成功の有無
- 家賃の交渉額
- 家賃交渉を行った人物
- 家賃交渉後の大家さんとの関係性
すると、なんと約71%の人が家賃交渉に成功していることが判明!
今回は、アンケート調査からわかった家賃交渉に成功するコツや、失敗談についてまとめて紹介していきます。
さらに住宅コンサルタントである、アネシスプランニング株式会社代表取締役の所長、寺岡 孝 氏にアンケート調査に対するご意見を伺いましたので、合わせて参考にしてください。
マンション入居後に家賃交渉に成功した人は71%
今回アンケート調査を行った結果、家賃交渉に「成功した」「成功した(条件付き)」と答えた方が、なんと71%もいました。
家賃交渉の成功率がこれだけ高いなら、進んで家賃交渉したほうがいいのかもしれませんね。
ただし、大家さんに家賃交渉をするには、ある程度の理由が必要なようです。
回答者の皆さんが家賃交渉を行った理由はいくつかあり、その中でも最も多かったのは、「家賃の支払いが厳しいから」でした。
働いていた会社が倒産し次の職場を見つけるまでお金が無く、家賃の支払いが厳しくなったので家賃交渉してみました。
コロナの影響で帰省することになり、数ヶ月留守にしている間の家賃が負担になったので、交渉しました。
働き方改革により、残業代が無くなったので
消費税増税や働き方改革、新型コロナウイルスなどの影響で収入が減り、やむを得ず家賃交渉をするしかなかったようです。
続いて多かったのが、「他の部屋より家賃が高いとわかった」「相場より高く感じる」など、毎月支払っている家賃額への疑問などを理由に家賃交渉をする人でした。
入居して一週間後に、同じ間取りの同じ階で1万円引きの入居者募集がされていた。
たまたま同じマンションに住む方と仲良くなり、世間話のついでに家賃の話をしていたら、同じ間取りなのに私の部屋のほうが2万円も高かったんです。
古いマンションで、お風呂やトイレなど昔ながらの旧式なのに、周りにあるマンションより高かったから。
他の部屋と同じ条件、または悪い条件であるにもかかわらず家賃が高い場合は、家賃交渉に成功するようです。
また一方で、家賃に特別な不満がなかったとしても、「単に安く住みたい」「周囲に家賃交渉を勧められた」などを理由に、家賃の値下げ交渉をする人もいました。
少しでも安く住めるのであれば、それに越したことはありませんから、とくに値下げしてほしい理由がなくても、交渉してみるのもいいのかもしれません。
・大家さんの視点
大家さんにとって家賃は賃貸業の収入源になりますが、その前提として家賃を払ってもらえる入居者が居ての話です。いったん入居をしてもらえば、できる限り長く借りてもらえると大家さんにとってはありがたいものです。
その入居者から家賃を下げてほしいと言われると、大家さんにとっては辛いところですが、「値下げに応じないと出て行かれてしまうのでは?」という不安がよぎります。
もし、退去されてしまうと部屋のクリーニングや修理、新たな入居者探しで時間を費やすことになりますし、その間の家賃収入もありません。そう考えると、少し家賃を下げても、今の入居者にしばらくは借りてもらった方がいいという考え方になります。
・借り手の視点
一方、借り手にとっては少しでも安い家賃の方がいいに越したことはありません。
また、最近のコロナ禍で収入減になっている人もあり、できれば家賃を下げてほしいというのが本音でしょう。実際に家賃の値下げを大家さんにお願いする場合には、アンケート回答者のいくつかのコメントにもあるように、家賃の減額には借主側の正当な理由が必要になります。
例えば、「コロナの影響で給与収入が大幅に減少した」とか、「隣のマンションで同じような条件の部屋の家賃が1万円安い」など、それなりに理由があれば大家さんも家賃交渉に応じてもらえる場合があります。
やみくもに「家賃を下げてほしい」と大家さんに言っても、なかなか応じてもらないものです。したがって、「他の部屋の家賃が安いので同じぐらいにして欲しい」など、借主から見てもっともな理由を挙げて家賃交渉をされることをお勧めいたします。
寺岡氏の言うように、家賃交渉をするには、値下げに値するある程度の理由が必要です。
家賃交渉する動機が何であっても、事前に家賃交渉の理由を明確にしておきましょう。
では実際に家賃交渉をして、いくら値下げしてもらえるものなのでしょうか?
次は、家賃交渉後の値引き額について紹介します。
家賃交渉で値引きされた金額「1,000~5,000円」51%
家賃交渉をして値引きされる額は、およそ1,000~5,000円までが多いようです。
人によっては少ないと感じるかもしれませんが、1年で考えてみれば12,000~60,000円も安くなるのですから出費はだいぶ抑えられるでしょう。
また中には、10,000円以上の値下げを行う大家さんもいるようです。
ただし2万や3万などの値下げを行う理由のほとんどは、住環境の悪さや室内の不具合などが理由で値引きされています。
入居当時には想定していなかった不具合などがあれば、高額の値引きをしてもらえるのかもしれませんね。
ただ一方で、「住環境が悪い!」「部屋に不具合がある!」と主張しても、値下げには応じない大家さんもいるようです。
次は、家賃交渉に失敗した人たちが、値下げを断られた理由について見ていきましょう。
マンション入居後の家賃交渉に失敗する理由「値下げする理由がない」35%
家賃交渉が断られる理由としてもっとも多かったのは、「値下げする理由がない」でした。
収入に対して家賃が高い物件を選んでしまったので、家賃交渉しました。そしたら、一時的に値下げは可能だが、値下げした分は数カ月後にまとめて払ってほしいと言われました。また家賃が払えないなら、退去するよう言われました。
お隣から昼夜問わず騒音が聞こえてきたので、家賃交渉をしたところ、「こちらで注意喚起します。それでも気に入らなければ退去してください」と言われました。
壁から水が滲み出てきて、部屋がカビだらけになったので交渉しました。ですが「水が出てきた部分の工事はしましたので、カビはじきになくなります。」と言われて終わりました。
大家さんも生活がかかっているわけですから、不十分な交渉理由では、値下げに応じてくれません。
家賃交渉には、それなりの理由や情報を用意した上で挑むようにした方がいいようです。
続いて多かったのは、「家賃は契約時に決まる」の25%でした。
入居後に出た空き部屋の募集広告を見たら、私が払っている家賃よりも安かった。交渉したら、「その条件で入居したのだから家賃は下げられない」と言われ、契約書にも書かれていたので諦めました。
毎年の更新料に納得がいかず、それなら家賃値引きを要求したが「契約時に更新料の話をしました。家賃も他の入居者よりも安くなっているのでご了承ください。」と言われた。
賃借人は家賃に納得して契約を交わしているはずなので、値下げに応じてもらうには、契約以上の理由を用意する必要がありそうです。
家賃交渉をした71%の人は交渉に成功しているので、理由さえきちんと用意すれば、値下げに応じてもらえるかもしれませんね。
・大家さんの視点
大家さんにとっては一度決めた家賃は変えたくないものです。
ただ、大家さんにとってはこれを機に退去されてしまうと芳しくないので、過少であれば値下げに応じておいた方がいいという考え方になります。
したがって、値下げの金額はアンケート回答にもあるように数千円程度が妥当かと思います。逆に、正当な理由もなく借主の個人的な感覚で、単に「家賃を下げて」と言っても大家さんは応じませんし、あまりにも理不尽な要求となればかえって心象を悪くします。
・借り手の視点
借り手は契約時に決めた家賃を値下げしてくれとは言いにくいものです。
その住まいが気に入って当分の間、そこに住みたいとなれば正当な理由を探して家賃値下げ交渉をしてはと思います。
その際、あまりに高額な値下げを言ってしまうと交渉もたち切れになりがちです。したがって、大家さん側でも数千円であればOKしてくれるだろう金額を申し出されることです。
・法的な側面
住まいを貸したり借りたりする場合には、民法や宅地建物取引業法、借地借家法といった法律に則って賃貸借契約などを結びます。
賃料の減額や増額をしたい場合には、借地借家法の中にその規定があり、それに基づいて行う必要があるでしょう。
借地借家法第32条1項では、建物の借賃の増減を請求できる旨の内容が記されており、その内容には土地・建物の公租公課の増減や経済事情の変動、近傍同種の建物の借賃と比較して、不相当となったときはその増減を請求できるものとしています。
寺岡氏がいうように本来家賃交渉は、借地借家法に則って値下げが行われます。
そのためむやみやたらに値下げ交渉をしても、法的に値下げ応じる必要がなければ大家さん(賃貸人)は値下げに応じません。
もし家賃交渉をするのであれば、まずは交渉に必要な理由を用意するところからはじめましょう。
ただ家賃交渉を検討している人の中には、明確な交渉理由があったとしても、交渉することに抵抗を感じている方も多いかと思います。
「交渉後に大家さんと関係が悪くなるかも」「何か思われたらどうしよう」など考えてしまうかもしれませんが、アンケート調査の結果、交渉後の大家さんとの関係性について、意外な事実が判明しました。詳しくは次に紹介します。
家賃交渉後の大家さんとの関係は?「変わらない」91%
まず、家賃の値下げ交渉を誰が行ったかを見ていきましょう。
およそ53%は、マンションの居住者本人が大家さんに家賃交渉していることがわかりました。
意外にも不動産会社や管理会社に頼らず、自分で家賃交渉を行っているようですね。
自分で家賃交渉をすると、後から大家さんと気まずい関係になりそうなイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょうか?
家賃交渉をしても、大家さんとの関係がこれまでと「変わらない」と答えた方が、なんと91%もいました!
普段からあいさつなどしており、できるだけは印象よくしていたので。その後のお礼ももっていきました。
日頃から大家さんとの関係を築くだけでなく、家賃交渉をしたあとは、お礼の菓子折りなどを持っていき、関係性を維持するのがポイントのようです。
・大家さんの視点
最近では、大家さん自身が直接、賃貸を管理している場合と、それ以外で管理会社が大家さんの代理で借主との交渉などに当たる場合があります。
色々と管理会社に頼んでいる大家さんは、管理会社と相談して家賃をどうするかの判断をしています。
また、家賃の値下げ交渉をしたからといって、大家さんの態度が豹変するとは考えにくいものがあります。
・借り手の視点
大家さん直接にせよ、管理会社経由にせよ大家さんとは良好な関係を持つことが望ましいものです。
何らかの機会で会う場合もありますので、その際にはきちんとした挨拶は交わすべきですし、仮に家賃値下げに応じてもらえた場合には、アンケート回答にもあるように御礼という意味合いで菓子折りなどを渡すなどの心遣いは必要でしょう。
日頃から大家さんと良好な人間関係を築いておけば、いざという時に手助けしてくれるかもしれません。
家賃交渉をして大家さんとの関係性が悪くなったと答えた方もいますが、家賃交渉の仕方や話し方で大きく変わるでしょう。
ではどうすれば、大家さんとの関係を保ちつつ、家賃交渉を成功させられるのでしょうか?
アンケートを回答した皆さんから頂いた、家賃交渉する際のアドバイスを次に紹介します!
家賃交渉した人が語る!家賃交渉を成功させるコツ10個
マンション入居後に家賃交渉をした140人に、家賃交渉する際のアドバイスを聞いた結果次のようになりました。
以上、家賃交渉する際のコツについて、上から順に紹介していきます。
家賃交渉する前に情報収集34%
同じマンション内にある物件の家賃を調べるなど、事前調査の準備をしっかりしてから交渉することが重要だとおもいます。
自分が住んでいるマンションの引っ越し状況を見て、退去者が多いようなら家賃交渉しやすいかも。今はコロナで、マンションを引き払う人が多いので交渉のしやすい時期だと思う。
まずはマンション周辺の相場を理解すること。退去されると家主も損をする場合が多いので、退去されるよりは少し下げても得をすると感じられる条件で納得すること。
まずは、マンション内の物件や、マンション周辺の物件の家賃相場を調べて情報収集するといいようです。
今は、SUUMOやライフルホームズなどを利用すれば、簡単に近隣の家賃を検索できるようになっています。
自分が住んでいるマンションと似た条件の物件を探し、家賃の安いところが見つかれば、家賃交渉の材料として利用できるかもしれません。
控えめな態度で交渉する23%
まずは低姿勢でいきなり怒ったりしない。
上から物を言われると人間嫌な気持ちにしかならないので、優しい口調から入ると印象もよく、話を聞いてくれやすくなる。
喧嘩腰ではなく「もし可能であれば…」というスタンスでお願いしたら成功しました。
むやみやたらに交渉するのではなく、経済状況や社会的に同情、共感してもらえるタイミングを見計らうのが一番良いと思います。
「他の部屋に比べて私の部屋は高い!」「入居時に聞いていた話と違う!」など、自分が不利な状況であることを主張する場合、感情的になってしまうものです。
ですがここは感情を抑えて、家賃を値下げしてほしい理由を論理的に、そして下手に話して、スムーズに交渉していきましょう。
また、下手に出るだけでなく、大家さんの情に訴えかけるような説明をした方がいいとの声もありました。
情に訴えかけたいからといって嘘はいけませんが、家賃の支払いが厳しいと伝わるような伝え方はしてもいいかもしれませんね。
普段から大家さんといい関係を築く12%
小さいマンションなので、普段から大家さんとの挨拶は欠かしませんでした。
家賃滞納をしない、手が空いていたらマンションの周りを掃除するなどもしてました。
そのためなのか、契約更新時にスムーズに値下げしてもらえました。
オーナーさんと信頼関係を結ぶために、毎月の家賃は期限の日には絶対に払うようにしていました。とくに交渉をする1年前から、家賃を支払う期限の日より1週間〜10日早く支払っていました。
大家さんに直接話して家賃交渉を行うのであれば、日頃から大家さんとコミュニケーションをとっておくと、交渉が成功する確率は上がると考える方が多いようです。
実際にアンケートの調査結果を見ていても、大家さんとの関係を持っていた人は、家賃交渉に成功しています。
もし大家さんが、同じマンションに住んでいる、または近隣に住んでいるのであれば、日頃から挨拶をしておくようにしておきましょう。
他の人を味方につける10%
関係が悪くなることを恐れて家族に交渉してもらったが、もっと法律に強い知人にアドバイスをもらえばうまくいったかもしれない。
不動産会社に交渉してもらえば良かったなと思いました。私が伝えても説得力が無かったので失敗したのだと思います。
管理会社が代わりに大家さんへ家賃交渉したので、どんな話や交渉の仕方をしたのかわかりません。そもそもほんとに交渉してくれたのかさえわからないので、管理会社に任せず、自分自身が直接大家さんを交渉するべきだったと思いました。
中には不動産に関する専門知識を持った大家さんもいるので、何もわからないまま家賃交渉すると、不当な家賃額であったとしても言いくるめられる可能性もあります。
一対一で交渉するのではなく、入居時にお世話になった不動産会社や家族、同じマンションに住む住民など、複数人で交渉した方が交渉しやすくなるでしょう。
また、どのように家賃交渉が行われたのか確認するためにも、他人に任せるのではなく、自分自身でも交渉の席にいた方がいいかもしれません。
強気で交渉する8%
当時の交際相手の彼が強気で交渉したからうまくいったのかも。女性だと、なめられるかもしれないから、第三者の男性に来てもらうといいかもしれません。
ダメ元で少し高めの値引き率が交渉した。うまくいかなければ、徐々に値引きの額を下げていこうと思っていたが、はじめに言った価格で値引きできてラッキー
コロナ影響がある中で大家としても退居されるのは困るはずなので、退居をちらつかせた上で交渉する方がよいと思いました。
2番目に多かった「控えめな態度で交渉する」とは打って変わって、「強気に出る」と答える方もいました。
家賃交渉をする際に、値下げ額を高めに提示して強気に出るといいとのことです。
ですが、相手を威圧する意味で強気に交渉すると、家賃交渉したあとに住み続けるのが大変なのでオススメしません。
あくまで大家さんに対して思いやりのある言い方で、交渉したほうがいいかもしれませんね。
数年住んでから契約更新時に交渉する4%
居住年数を重ねたタイミングで、値下げ交渉をした方が応じてもらいやすいと思います。
入居状況や今後何年こちらに住むかなど相手方に提示して家賃交渉しました。
契約更新の時に交渉できる余地があるかもしれません。また、引越しシーズンが終わり、閑散期であれば交渉はしやすいと思います。
入居してからすぐに家賃交渉をするのではなく、居住年数を重ねて、大家さんとの信頼関係を築けたあとで交渉した方が、値下げに応じてくれるかもしれないとの意見が多く見られました。
1年や2年おきに行われる契約更新が、家賃交渉のタイミングなのかもしれませんね。
少額で値下げ交渉をする4%
自分の場合は少額の値下げ交渉だったので成功したと思います。少額でも固定費なので減額を言ってみる価値はあると思います。
家賃減額も仕方ないと思える環境に対して、オーナーに大きな不利益を与えない程度に少額で交渉することです。
大幅な値下げを求めなければ、スムーズに家賃の値下げに応じてくれるとの意見がありました。
あまり高額な値下げ額を提示するのではなく1,000円~5,000円、もう少し価格を上げられそうなら8,000円までをメドに家賃を交渉してみるといいかもしれません。
家賃交渉できる物件に住む4%
ネットでも評判が悪い大手管理会社の物件は、独自ルールを盾にして家賃交渉自体ができませんでした。長く住んで将来家賃を下げてほしいと思うならば、最初から家賃交渉が可能な物件に住むことをお勧めします。
契約時にどういう状態だったら家賃交渉に応じてくれるか、入居時の部屋の状態と家賃が本当に見合っているのかをしっかり確認するべきだったと思いました。
長期的に住むことで、家賃の値下げを期待するのであれば、はじめから家賃交渉がしやすいマンションに住んだほうがいいようです。
ただ家賃交渉をするつもりで、物件を探すことはあまりないかと思います。
後に家賃交渉をするつもりで物件を探すよりかは、あとになって家賃交渉をしなくても済むように、家賃と部屋の条件に納得の行く物件を探すといいのかもしれません。
値下げの代わりの条件を提示すること1%
値下げの代わりとなる条件を掲示して、交渉を行ったほうが良いと思います。僕の場合は、家賃交渉後に5年間住み続けることを条件としました。
物件の不備があったので、家賃交渉をしました。修繕費を自分も負担する代わりに、値下げをしてほしいと交渉したら、スムーズにいきました。
一方的に値下げ交渉するよりも、こちらから代わりの条件を提示した方が、家賃交渉がスムーズになるようですね。
「値下げの代わりに◯年以上住む」「入居者を紹介する」など、大家さんが得をするような条件を一度探してみましょう。
・大家さんの視点
借り手から家賃の値下げして欲しい言われた場合、その言い方や理由付けを注意深く聞くものです。
あまりにも理不尽な要求をされれば、当然ながらお断りするという流れになります。
また、大家さんも人間ですから、横柄な態度で家賃下げろと言われれば、機嫌を損ねて応じない場合もあるでしょう。
ただ、コロナ禍では大家さんにとっては入居者の退去が一番の痛手にはなりますので、出来るだけ入居者からの交渉には応じている感があります。
・借り手の視点
借り手側から見れば、アンケートにあるように情報収集や大家さんとの関係、そのやり取りの方法などは家賃値下げの交渉に必要なことです。
特に、SUUMOやライフルホームズなどの不動産サイトで近隣の家賃を調べたりするなどの情報収集は必要不可欠でしょう。
実際に自分が払っている家賃よりも安い物件があれば、金額交渉の参考になります。
また、更新のタイミングで家賃の値下げをしてもらえば、更新するなどの条件を大家さんに打診してみるのも1つの手段です。
そうした値下げ交渉の際には、大家さんに対して下手に出て話をすることも必要でしょう。
【まとめ】大家さんとの関係次第で家賃交渉はうまくいく!
今回行ったアンケート調査の結果、家賃交渉は高確率で成功するとわかりました。
ただし家賃交渉をするのであれば、事前に次の3つを確認しておきましょう。
- 値引き交渉の理由を説明できるように情報を用意する
- 日頃から大家さんといい関係性を築く
- 大家さんの立場になって下手に交渉する
もし家賃交渉に成功しても、失敗しても、大家さんとの関係性が変わらないこともわかっています。
家賃支払への不安や不満がある方は、記事にある家賃交渉のコツを参考に、一度交渉してみてはいかがでしょうか?
借主にとっては家賃なんて値下げできないものと思われがちです。
しかしながら、これまでにご紹介しました通り、正当な理由があれば家賃の値下げも可能です。また、借地借家法という法律にも規定がある通り、大家さんや借主には賃料の増減額請求権というものがあります。
例えば、大家さんであれば、インフレなどの経済的な根拠で家賃の値上げを請求できますし、借主は同条件の近隣のマンションの家賃が安ければ、それを理由で家賃の値下げ交渉が可能です。
加えて、借主が大家さんに家賃の値下げ交渉をする際には、前もって情報収集を行ったり、大家さんとの良好な人間関係を作ったりしておくべきでしょう。
ただし、借主が頻繁に期日どおりに家賃を払わないなど、家賃の延滞をしていると借主の信頼度が薄れ、家賃の値下げなんかには応じられないということになりますので、くれぐれも家賃は遅れることなく、期日通りに支払うということは遵守しておくことです。
アンケート回答から見ての家賃交渉のコツは、
・大家さんとの良好な人間関係の構築
・家賃を下げて欲しい正当な理由付け
・大家さんとの交渉の際には下手に
・値下げに応じてもらった際には大家さんに御礼も忘れずに
が必要かと思います。
家賃交渉のコツを踏まえて、皆さんも実践してみてはいかがでしょうか。
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:マンション入居後に家賃交渉を行ったことがある人
- 調査機関:2020年8月17日(月)~2020年8月31(月)
- 調査監修:寺岡 孝(住宅コンサルタント)
- 【監修】寺岡 孝(住宅コンサルタント)
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アネシスプランニング株式会社代表取締役
住宅コンサルタント/住宅セカンドオピニオン大手ハウスメーカーに勤務した後、2006年にアネシスプランニング株式会社を設立。住宅の建築や不動産購入・売却などのあらゆる場面において、お客様を主体とする中立的なアドバイスおよびサポートを行っている。これまでに3,000件以上の相談を受けている。
東洋経済オンライン、ZUU online、スマイスター、楽待などのWEBメディアに住宅、ローンや不動産投資についてのコラム等を多数寄稿。
著書に『不動産投資は出口戦略が9割』『学校では教えてくれない! 一生役立つ「お金と住まい」 の話』『不動産投資の曲がり角で、どうする?』(クロスメディア・パブリッシング)がある。アネシスプランニング株式会社
https://www.anesisplan.co.jp/