夢のマイホームとして、マンションの購入を検討している方も多いかと思います。ですがいざマンションを購入するとなると、不安になるのがマンショントラブル。
マンションはいろいろな考え方を持った人たちが同じ建物を共有して生活します。意見が衝突してマンショントラブルに発展するケースも少なくありません。
「マンションに住みはじめてトラブルに巻き込まれたらどうしよう……。」
「マンショントラブルが起きたときは誰に相談すればいいの?」
「マンショントラブルを避けるための対応方法は?」
このようにマンションに住みはじめてから起こりうる不安から、物件購入を躊躇している方もいるでしょう。
そこで、なるほど!不動産売却では「実際にあったマンションの住民トラブル」について、分譲マンションに居住経験がある男女270人を対象にアンケート調査を実施!
調査結果から、実際にあったマンショントラブルはもちろんのこと、相談した相手や解決方法、そして経験を踏まえたマンション選びのポイントについてもわかりました。
また今回は「住まいのアトリエ井上一級建築士事務所」の所長、井上恵子氏にご協力いただき、アンケート調査に対するご意見を伺いましたので、ぜひマンション選びに役立ててください!
- 調査概要
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- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:分譲マンションに居住経験がある男女270名
- 調査期間:2020年1月28日(火)~2020年1月31日(金)
- 調査監修:井上恵子氏(一級建築士)
実際にあったマンショントラブルランキング
今回のアンケート調査の結果、マンショントラブルを経験したことがある人は、270人中257人いるという結果となりました。
つまり全体の95%は、何らかのマンショントラブルを経験していることになります。
これだけ多くの人が経験するマンショントラブルですが、実際にどんなトラブルがあるのか気になりますよね。
アンケートでは、「騒音トラブル」「隣人とのトラブル」「駐車場または駐輪場のトラブル」「ゴミ出しのトラブル」「外国人住民とのトラブル」の5つにわけて調査しました。
調査結果からわかるように、マンショントラブルでもっとも多いのが「騒音トラブル」です。
ですが井上恵子氏は、騒音トラブルだけでなく「ゴミ出しのトラブル」や「外国人住民とのトラブル」についても注目したほうがいいと言います。
マンションのトラブルには「居住者の行為、マナーをめぐるもの」が最も多く、今回の調査でも「騒音」「違法駐車」「ゴミ出し」「タバコのマナー」「挨拶」などが上がっています。最近の傾向として「ペット」と「民泊」に注目です。近年ではペット飼育可のマンションが増えていますが、マンションにはペットを飼っていない人も入居していることを忘れずに。また、オリンピックイヤーを迎え、民泊を巡るトラブルも今後注意が必要です。いずれもマンションでルールを決め、入居者それぞれが守ることを求められています。
ではここから、具体的にどんなマンショントラブルにトラブルに遭遇したのかを、井上氏のアドバイスとともに見てみましょう。
5つの中でもっとも多かったマンショントラブルから順に、ランキングにして紹介します。
1位 騒音トラブル(81%)
マンショントラブルの中でもっとも多かったのは騒音トラブル。
アンケートに回答した270人中220人が、住民の騒音に悩まされているようです。
防音に優れているといわれる鉄骨鉄筋コンクリートのマンションでも、完全に防音ができるわけではありません。
配管や壁をつたって他の部屋に音が響いてしまうので、自分が思っている以上に音が伝わっている可能性があります。
マンションの住人が感じている騒音トラブルの種類と割合はこちらです。
アンケート調査の結果を見ると、子供の足音による騒音トラブルがもっとも多いことがわかります。
上階には小学生くらいの男の子が生活しているようですが、日曜日の朝早くから追いかけっこをしているのか、寝ていると「ドタドタドタ!!」と物凄い音がします。
年末年始などの連休期間中のみ子供の走り回る足音が聞こえました。お子さんたちも両親がともに休みという状況で楽しくなるのも分かるので、数日は我慢していたのですがある時何か大きなものが倒れたのではというくらいの音が続いたので、流石にちょっと限界を感じました。
子供が立ててしまう音をコントロールするのは難しいとわかっていても騒音に我慢できず、住民どうしのトラブルに発展してしまうようです。
とくに子供がいない家庭に、子供が立てる音に対して理解を求めるのは難しいかもしれません。
お子さんがいる家庭がマンションを選ぶ際は、なるべく音を立てないように子供をしつけることも必要ですが、最初からファミリー層が多く暮らしているマンションを選ぶといいでしょう。
逆に静かな暮らしを求めている方は、ファミリー層が多いマンションは避けたほうがよいかもしれません。
2位 駐車場または駐輪場のトラブル(51%)
アンケート調査の結果、270人中139人が駐車場や駐輪場のマンショントラブルに巻き込まれているようです。
ただ騒音トラブルと違い、駐車場や駐輪場のトラブルはマンションの住人だけでなく、部外者によって引き起こされることがあります。
- マンション住民以外の車が駐車されている
- マンション規定のステッカーが張られていない自転車が停められている
- 引越し業者のトラックが来客用駐車場を利用している
駐車場や駐輪場のトラブルが起きても、原因となる人物が特定できないこともあり、なかなか解決にいたらないケースもあるでしょう。
実際に駐車場や駐輪場で起こるトラブルの内容と割合は、以下のとおりです。
駐車スペースの数が足りないことが原因で、トラブル化することが多いようです。
マンションに引っ越した時に駐車場が空いておらず、マンションの隣の敷地に駐車場を借りなければいけませんでした。別の駐車場に停めていましたが、マンションまでに階段があるので、買い出しの後や子供が小さい時はベビーカーを一度たたんで上る必要があり、大変でした。
入居時に抽選ではずれてしまったのでしばらく外部の駐車場を借りていました。
駐車場が足りないことで、マンション内に確保されている来客用の駐車場に停めている入居者がたびたびいるようで、理事会で問題になったことがありました。
駐車スペースが足りないことはマンション側の問題ですが、実際にトラブルが起こるのは住民間です。
またトラブルが起きなかったとしても、駐車場や駐輪場に対して不満を抱えながら生活を送るのはストレスになることもあるでしょう。
駐車場の数が足りている、またはマンション周辺に月極駐車場があるなど、駐車場や駐輪場の広さや位置は事前の確認をしてください。
3位 隣人とのトラブル(47%)
マンションはまったく見知らぬ人たちが、部屋の上下左右、床や壁を一枚隔てただけの建物で生活しています。
そのため自分の家庭環境や生活行動は、他の住民から見られてしまいがちです。
普段の何気ない行動が、住民の目についてしまいクレームを言われることもあるでしょう。
現にマンションに住む約半数の方が、マンションの隣人や住人とトラブル起こしています。
これまでに紹介した騒音トラブルや駐車場トラブルがきっかけで、隣人トラブルに発展する可能性もありますが、今回は以下の6つの項目にわけて、あてはまるものを選んでいただきました。
アンケート調査の結果を見ると、分譲マンションに住む1/3の住人が、タバコによる隣人トラブルを経験していることがわかります。
ベランダでタバコを吸われる住民の方がいて、窓を開けていると嫌なニオイが入ってきて困りました。しかも上の階の方が吸った灰が、度々私の家のベランダの手すりの上に落ちていて、危ない上に手すりの掃除をしないといけないので困りました。
専用の庭付きマンションの1階に住んでいるのですが、たびたび庭にタバコの吸殻や箱が落ちています。上の階の人がベランダで吸って、そのまま捨ててるんだと思います。庭には洗濯物も干しますし、子供の健康上良くないので本当に嫌な気分になりました。
室内でタバコを吸うと、壁にヤニのあとが残ってしまったり、タバコを吸わない家族に害を与えたりすることから、ベランダで一服することもあるでしょう。
ですがタバコの煙や灰が他の住人のベランダなど敷地内に侵入してしまうと、当然住人は不快に思います。
隣人とのトラブルを回避するには、少々手間でもマンション内や屋外の喫煙スペースで一服するほうがいいでしょう。
タバコのマナー以外の隣人トラブルとして、「きちんと挨拶しない」「嫌がらせをされた」といった問題もあるようです。
他のマンショントラブルが原因で隣人と言い争いになった後に関係が修復できず、無視や嫌がらせといったトラブルに発展することもあるので気をつけましょう。
4位 ゴミ出しのトラブル(44%)
人が見ていないスキに、時間や場所、捨てるものなどを守らずにゴミ出しを行う人に対する不満からトラブルに発展するケースがあります。
しかもゴミ出しに違反している人を見つけ出そうにも特定できないことが多いので、住民の不満のやり場がなく、住民どうしの関係が険悪になることもあるようです。
以下のグラフにあるように、マンション住民の44%が、ゴミ出しへの不満からトラブルに発展しています。
具体的なゴミ出しトラブルは、次の4つでした。
ゴミ出しトラブルでとくに問題になりやすいのは、ゴミの「分別」と「捨てる時間」です。
分別や捨てる時間は、マンションに限らず戸建て住宅でも多い問題かと思います。
ですがマンション住民だからこそ困ったゴミ出しトラブルもあるようです。
マンションに住んでいるとゴミをベランダに置いている家が多いのですが、風が強い日は必ずと言っていい程ゴミが飛んできます。
郵便ポストの不要なチラシを捨てるゴミ箱の利用マナーが悪く、ポスト周辺の通路にチラシが散乱していたりしている。
きちんとごみ捨てを行っている人にとっては、こうしたマナーを守らないゴミ出しに対して不満が溜まりやすくなります。
ゴミ出しの問題が気になる場合は、マンションの管理会社などに伝えて改善してもらうようにしましょう。
5位 外国人住民とのトラブル(9%)
外国から来た人が日本のマンションを購入して住むことはほとんどありません。
ですが分譲賃貸マンションの場合、賃貸で外国人が住みはじめるケースもあります。
またマンションを購入した日本人が民泊をはじめて、マンション内に外国人を出入りさせるケースもあるので、外国人が絡むマンショントラブルが起こることもあるようです。
とはいっても他のマンショントラブルと比べると、外国人トラブルは9%程度と少なめ。
あまり見られない外国人トラブルの中で、多かった具体的なトラブルは「生活音」や「ゴミの分別」でした。
日本と海外では文化が違うため、日本では当たり前に思うことも外国人には通用しないことがあります。
そのため生活環境や日本でのルールを、わかってもらうのは難しいのでしょう。
生活音やゴミの分別意外にも、民泊や悪臭に悩まされているマンション住民もいます。
中国人のグループでいつも違う人間が出入りしていることがありました。まだ民泊という言葉も聞かない時代だったので、住民の多くが不安を感じていました。
ある国出身の家族が毎日の食事で独特の匂いの食品を調理するため、彼らのユニットに近い廊下や玄関ホールなどの公共スペースに悪臭が漂っていました。
民泊に関しては、宿泊する外国人というよりも、経営する日本人の方に問題があります。民泊が禁止されている分譲マンションでも、規約を守らずに民泊を経営する人がいるようです。
購入の検討をしているマンションで、民泊をしている住民がいないか、民泊経営している住民に対して管理会社はどう対応しているのかを確認するようにしましょう。
マンショントラブルの相談相手は?管理会社が49%
これまでに紹介したマンショントラブルは、自分で避けようと思っても避けられないことがほとんどです。
先程紹介したとおり、マンションに住む95%の人たちは、何かしらのマンショントラブルを経験しています。
ではマンションに実際に住んでいる人は、どのようにしてトラブルと向き合っているのでしょうか?
マンショントラブルが起きたときに相談する相手について、アンケートをとってみました。
マンショントラブルに取り合ってくれる相手として、一番身近なのは管理人または管理会社のようです。
どこの家かはわかりませんでしたが、夜中まで部屋の中でカラオケをして、飛び跳ねたり重低音がずっと響いたりということがありました。管理人の方に言って周辺の部屋に注意の紙を入れてもらい、カラオケはしなくなりました。
隣人さん(上の階)の使っている洗濯機が古いのか、稼働するたびにすさまじい音が鳴っていました。管理会社の人にお願いしたところ、ある日を境に静かになりました。結構キツメに話してくれたようです。
管理会社に相談すれば何かしらの対応を取ってもらえるため、他の住民に対して気になることがあっても、言い合いや喧嘩といった当人同士の大きな大きなトラブルとはならないようです。
トラブルが起きると直接注意する住民も21%いますが、ドラブル後の嫌がらせなどを避けるのであれば、管理会社を通して注意してもらったほうがいいでしょう。
マンション内でトラブルが発生した時に「管理人」または「管理会社」に相談した人が多い結果となりましたが、もし「管理組合」がある場合はそこに相談しても良いでしょう。
直談判した人も21%いましたが、まずは上記した第三者に相談し、そこを通して困っていることを伝えてもらったり、掲示板に張り紙をしてもらうなどの対処をしてもらいましょう。
反対に、もし自分が苦情を言われたら、知らんぷりをせず真摯に受け止め、再発防止の努力をすることが大切です。過去に子どもの足音が原因で裁判になった事例がありましたが、訴えられた原因は、苦情に対して何も対処しない親の態度にありました。
井上氏のアドバイスのように、マンショントラブルの相談をするだけでなく、トラブルを起こしてしまったときも対応が必要です。
ムリに自身で解決しようとするのではなく、必ず管理会社などの第三者に相談するようにしましょう。
ですが管理会社へ相談しても、なかなか取り合ってくれないこともあるようです。
上階から漏水し、キッチンに汚れた雫がしたたり落ちてきたので、管理会社に連絡したところ、直接上階の人に連絡してくれと言われた。
私の母がリーダー格のような住人に嫌われて、悪口を言われるなどのご近所トラブルに巻き込まれていました。一度管理会社にも相談をしてみたのですが、騒音などのトラブルではないため注意はできないと言われてしまい、何もできませんでした。
このように住民どうしのマンショントラブルを、本人たちで解決するように促す無責任な管理会社もあります。
あまりにも無責任な管理会社はほとんどないとは思いますが、マンション購入の段階で管理会社について調べておきましょう。
ただ住民どうしの悪口など実害の出ないトラブルに関しては、管理会社も介入できません。
もし住民から実害の出ない嫌がらせをうけて、耐えられないときは、引っ越しも視野に入れるようにしましょう。
またこれから購入するマンションを選ぶなら、なるべく引越しをしなくてすむよう、次に紹介する「マンショントラブルを回避するため購入前に確認したいポイント10選」を参考にしてみてください。
マンショントラブルを回避するため購入前に確認したいポイント10選
マンショントラブルを完全に避けるのは難しいですが、トラブルが起こる可能性が低い、またはトラブル起きてもすぐに対応してもらえるマンションを選ぶことはできます!
今回のアンケートでは、次にマンションを購入する際、マンション選びで気をつけたいことについて質問してみました。
ではこれら10個のポイントについて、アンケートの票数が高い順に紹介していきます。
1. マンションにどんな住人が住んでいるか確認する(136人)
マンショントラブルが起きてしまう主な原因は人ですから、マンションにどんな住人が住んでいるのか確認した方がいいでしょう。
やはり隣人などの付き合いでしょうか。お隣さんとコミュニケーションが取れる機会があれば、分譲で購入してしまう前に一度お話ししてみたかったなあと思います。
内見の際に足を運び、どんな人が住んでいるのか住民を見るつもりです。挨拶ができないなど、コミュニケーションが取れない人が多いと、トラブルも多い気がします。また、同世代が多いかどうかも確認したいポイントです。
小さな子供がいるのかどうかはチェックしたいものですし、もし小さな子供(とくに男の子)がいるならその物件の購入は見送るかもしれません。もちろん集合住宅ですからある程度の騒音は我慢しますが、それでもやはり気になります。
自分が入居したあとに入ってくる住民を選ぶことはできませんが、すでに住んでいる住民の世帯や住民性などは確認できます。
一度の内見ではなく、時間帯や曜日を変えて何度も通ってみると、どんな住民が住んでいるのかがわかってくるでしょう。
また実際にマンションに住んでいる人に、住民性を聞いてみると確かな情報が得られます。
2. マンションの管理会社を調べる(53人)
もしマンショントラブルが起きた際は、親身に話を聞いてトラブルに対応してくれる管理会社や管理人が必要です。
気になる物件の管理会社が必ずしも、対応のいい会社とは限らないので事前に調べておくといいでしょう。
隣人トラブルがあった時に、きちんと対応してくれる管理会社かどうかもマンション選びの際には重要なポイントだと思います。
管理人も常駐とまではいかなですが毎日いてほしいです。それによって回避や早期解決できるトラブル(ゴミや無断駐車など)があると思うので。
管理人さんのマナーなどで、マンション内の雰囲気はだいたいわかります。
マンション常駐している管理人さんや、話し方や愛想のいい管理会社などから、そのマンションの体制を図ってみるのもいいかもしれません。
またマンションには総会といった、マンション内の住民が話し合いを行える場もあります。
管理人や管理会社だけでなく、総会の理事長などとも可能であれば会話しておくと、マンションの様子がわかるでしょう。
3. マンション内の管理状況を確認する(39人)
マンションの共有スペースがキレイに保たれているマンションは、マンションの管理側がしっかりしている証拠です。
また住んでいる住民のモラルも高いと考えられるので、トラブルが起きてたとしても大事にはならない確率が高いでしょう。
共有スペースなども含めて清潔感のあるところにしたいなと思います。そういうところの状態をみれば住人の質から何やらまで見えてくるものです。
共用スペースがきれいに使われているかどうかは重要だと思いました。住民のマナーの良さがわかるからです。管理会社の管理体制も知ることができます。
昼間の様子だけでなく、夜間のマンションの共用スペースの雰囲気も見ておくと安心だと思います。
4. マンションの駐車場や駐輪場の確認をする(39人)
駐車場や駐輪場の広さ、駐車できる台数だけでなく、キレイに管理されているかどうかも確認しておくことをおすすめします。
とくに駐輪場に停めてある自転車がキレイに停めてあるマンションは、お互いに気遣いができる住民が住んでいると考えられるので必ずチェックしておきましょう。
駐車場が広いところがいいです。誰か相手が分からないのも嫌なのでトラブルの種は避けたいと思います。
駐車場が全世帯確保されてるわけではないので、できるだけ台数の多いところ、また近くに月極のパーキングがあるか調べておいたほうがよいです。
マンション住民の声にもあるように、全世帯分の駐車スペースがないこともあるので、駐車スペースを確保できないときに備えて、マンションの近くの駐車場も探しておきましょう。
マンションの管理下にない駐車場でも、治安状況は確認しておいてください。
5. マンションの防音の程度を調べる(39人)
マンションの防音対策を気にする住民は多いです。
ですがいくら防音対策をしっかりしているマンションでも、防音室などの特殊な造りでない限り、完全に音を防ぐことはできません。
それでもどのくらい音が響くのかを確認することはできるので、何回かにわけて内見を行い隣人の生活音を確かめてみるといいでしょう。
下の階の住人による騒音に悩まされていたので、なるべく角部屋を選んで静かに過ごせるようにしたいと思います。
二重窓だと家から漏れる音が軽減されるそうなので、二重窓になっているかどうか確認します。あと、構造図が見られるのでしたら、天井や床の構造や厚さを確認します。設備の豪華さより、元々のマンションの構造がいいもので出来ていると、音などが響かないのでトラブルになりにくいと思います。
騒音の問題については自分でも知らずに迷惑になっているかもしれないので、壁や床の厚みや振動具合も簡単に検査したほうがいいと思います。
マンション室内の壁がしっかり防音できるかどうか心配な方は、専門家に住宅診断(ホームインスペクション)を依頼するのもいいでしょう。
住宅の専門家であるホームインスペクターによって、第三者の立場から住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修点などを確かめてもらうこと。
6. マンションのゴミ捨て場を確認する(37人)
マンションのゴミ捨て場は、マンション住人の性格がそのまま反映されることが多いです。
また捨てられているものでその人の家族構成や年齢などもおおよそ検討がつくため、どういった住民が住んでいるのかを把握するなら、必ず確認しておきましょう。
ゴミ捨て場などが整理整頓されているかどうかなどを見ています。整理ができているマンションは、住民の意識が高く、自治会がきちんと機能していると思います。
どのゴミも曜日関係なく出せるのか、燃えるゴミだけいつだしてもOKなのか、すべて決められた曜日にしかだせないのかによってゴミに関するトラブルは増減すると思います。
今私が住んでいるマンションでもそうですが、決められた日時が守られていなかったり、あきらかにこれはここに捨てたらだめだろうというものが置いてあったり。ゴミ捨て場でも人柄が見えると思うのでどう使われているのか確認したいです。
またマンションによっては、ゴミ捨て場の管理を住民が当番制で行っているところもあります。
管理当番は少し面倒かもしれませんが、マンショントラブルを可能な限り減らすなら、住民が協力して管理を行うマンションを選んだほうがよさそうです。
7. マンション内のルールを聞いておく(18人)
マンションでは住民が住みやすいように、ゴミ出しのルールやペットを飼うときのルールなどがきちんと定められています。
ですがルールが細かく決められているところは注意が必要かもしれません。
これまでに起こったトラブルから決められたルール、住民の人間性が現れたルールなどがあるので、事前にマンション内のルールを確認しておいてください。
マンションで暮らす上でのルールをしっかり確認する事。とくに、共用スペースの定義、使い方については大切です。
大きなトラブルがあったとしても、修繕積立や管理費がしっかり徴収されて、潤沢にあるマンションを選びたいです。
私は動物が苦手なので、マンション内の人がペットルールを守っているかを確認します。
マンションのルールだけでなく、そのルールができた経緯なども一緒に聞いておきましょう。
8. 過去のマンショントラブルを調べておく(16人)
過去に起こったマンショントラブルは、もう終わったことだと割り切るのも重要です。
ですがトラブルの原因となった住民がまだ住んでいるとなると不安が拭いきれません。
もし前の住居人がマンションを手放した理由が、隣人トラブルだったと、あとになって気づかないように事前に調べておきましょう。
不動産関係の人からそのマンションについてよく聞いておくことです。知人がいれば尚いいですがいなくても数社の方から聞いておくようにしましょう。後はマンションの口コミサイトがあるのでそこでも情報収集すべきです。
中古の分譲マンションを購入するときは前の住人がなぜ引っ越したのかを確認することが大事だと思います。隣や階下の住人とのトラブルや嫌がらせの場合もあります。そんなところには住みたくないですね。
不動産会社や管理会社、口コミなどの情報源を利用するといいようです。
もしすでにマンション内に知人が住んでいるなら、生の声をよく聞いてからマンションの購入を検討してください。
9. マンションの掲示板を見ておく(12人)
マンションの掲示板に張られている掲示物は、今のマンションの状態を把握できる重要な資料です。
「規定以外のゴミを捨てないでください」「自転車の盗難事件がありました」などの掲示物が張られていたら黄色信号と思ってください。
マンションに掲示されている文書と議事録を見て、トラブルの事例を確かめるといいと思います。
管理会社の管理がしっかりしているか確認するために、マンション内の掲示は古いものがそのままになっていないかなどをチェックしたいです。
またマンショントラブルには、宗教が絡むこともあります。
なので掲示板だけでなく、マンションの外壁に宗教関係のビラやプレートが張られていないかどうかも確認しておきましょう。
10. マンション内の防犯セキュリティを確認する(4人)
防犯セキュリティは外部からの不審者侵入を防ぐだけでなく、マンション住人間のトラブルを未然に防ぐためのものでもあります。
とくに防犯カメラの設置台数を確認しておいてください。
別のマンションへ引っ越す際はまず、ゴミ置き場にちゃんとカメラはあるかを確認したいと思います。
勝手に入られない、あるいはまぎらわしい動きができないようなセキュリティの高いマンションを選んだ方がよい。家賃は高くなるが、事件になってからでは遅いから。
駐輪場や駐車場、ゴミ捨て場など、マンショントラブルの原因となりやすい場所にカメラを設置しているかどうかを確認するといいようです。
ここまで、分譲マンションに住んだことがある住民が選ぶ「トラブルを避けるためのマンション選びのポイント」について紹介しましたが、さらに井上氏にもマンション選びのポイントについて見解を頂きました。
騒音問題に対して「防音の程度を調べる」と回答がありましたが、事前にチェックすることをお勧めします。
最も気になる「子どもの足音」は床コンクリートの厚みが厚いほど響きにくくなります。最近では20センチ程度のものが多いですが、もっと厚い物件もあります。また、床材のフローリングも音が響きやすく、裏にクッション材が貼ってある遮音タイプを使用しているか確認してください。
窓からの音の出入りはサッシの遮音性が高ければ軽減されます。いずれも購入前にモデルルームで確認することができます。
また、エントランス周辺にゴミが落ちておらず整然としていれば、管理が行き届いており居住者のマナーもよいという一つの目安になります。
【まとめ】マンショントラブル経験者は多いが解決できている人も多い
今回のアンケート調査で、マンションに住むと何かしらのトラブルに巻き込まれることがあるとわかりました。
ですがマンショントラブルの内容には重いものから軽いものまであり、大半は軽いマンショントラブルで収まるようです。隣人のちょっとしたことが気になることがあっても、管理会社から丁寧に説明してもらえばわかってくれる隣人の方が多いのでしょう。
さらに井上氏によると、隣人どうしの交流を深めると、さらにマンショントラブルを防ぐことができるのだそう。
多くの世帯が一つ屋根の下に暮すマンションでは、住人各々がマナーやルールを守り、お互いに迷惑をかけないように気を配って暮らすことが大切です。
そして自分の住戸を中心に、最低でも上下左右斜めに接する住民の方とは顔見知りになり、挨拶を交わす関係を持つことをお勧めします。どんな家族が住んでいるかを知ることで、お互いへの理解が深まります。
近年では災害時にマンションの住民同士での助け合いが大切であることがわかり、入居時に住民同士の交流を深めるためのイベントを企画する管理会社もあります。そのような会合にも積極的に出席し、住民同士で良好な関係をつくっておくことが、何よりのトラブル防止対策となるでしょう。
これからマンションを購入する方は、この記事を参考に物件選びをしてみてください。
- 【監修】井上恵子(一級建築士)
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住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所 所長
一級建築士/インテリアプランナー/日本女子大学非常勤講師総合建設会社で主にマンションの設計・工事監理、性能評価などを担当。2004年の独立後は生活者の視点から「安心・安全・快適な住まい」をテーマに、webサイトでの記事執筆、新聞へのコラム掲載、マンション購入セミナーの講師として活動。著書に「住宅リフォーム計画」(学芸出版社/共著)「大震災・大災害に強い家づくり、家選び」(朝日新聞出版)などがある。
住まいのアトリエ井上一級建築士事務所
http://atelier-sumai.jp